
ベイルート:先週発生した壊滅的な地震の後に、シリア北部の自宅の瓦礫の下で生まれた女の赤ちゃんがいる。13日現在、赤ちゃんの健康状態は良好で、入院先の病院長の妻から母乳を与えられている、と担当医師は述べた。
この赤ちゃんは、病院の職員にアヤちゃん(アラビア後で「神の啓示」)と名付けられた。
大叔父にあたるサーレ・アル・バドランさんによると、赤ちゃんは14日か15日には退院できる見込み。
バドランさんは、赤ちゃんの父方に最近子供を産んだばかりで震災を生き延びた叔母がおり、この叔母が赤ちゃんを養育することになっている、と述べた。
赤ちゃんの母は、トルコとシリアをマグニチュード 7.8 の地震が襲った後に出産し、その後亡くなった。赤ちゃんの父と4人の兄弟もやはり地震で亡くなっている。
シリア北部アフリン市にあるチハン病院の小児科医、ハニ・マールーフ医師は、AP 通信に対し、病院長の妻が赤ちゃんに母乳を与えていると述べた。
マールーフ医師はアフリン市から電話で「アヤちゃんに投与していた薬をすべて停止しました。現在アヤは必要に応じて母乳をもらっています」と語った。
マールーフ医師は、赤ちゃんの親戚だと偽る人物が病院に次々と現れたため、赤ちゃんが誘拐されないよう地元の警察官が病院で警護にあたっていると述べた。
シリア北部ジンデリスの町で、救助隊員が5階建てのアパートの瓦礫を掘り起こしていたところ、2月6日の地震発生から10時間以上たって、黒っぽい髪の毛の女の赤ちゃんが見つかった。このアパートには赤ちゃんの両親が住んでいた。
コンクリートに埋もれた赤ちゃんは、発見時、まだ母のアフラ・アブ・ハディヤさんとへその緒でつながっていた。赤ちゃんは大急ぎで近くのアフリン市の病院へ運ばれ、それ以来そこで世話をされている。
トルコ南東部とシリア北部を襲った壊滅的な地震とそれに続く一連の余震で、数百万の人々が住む町や都市の多くがコンクリートの破片とねじれた金属の破片に変貌した。
現在35,000 人以上の死亡が確認されているが、今後捜索チームがより多くの遺体を発見すると考えられ、死者数は大幅に増加すると予想されている。
アヤちゃんの家族が2018年から住んでいたジンデリスの町では何十もの住宅が地震で倒壊した。
アヤちゃんの父、アブドゥラ・トゥルキ・ムレイハンさんはデリゾール県東部クシャム村の出身だが、2014 年に ダーイシュグループが村を占領したため村を去ったのだと、アヤちゃんの父の叔父であるアル・バドランさんは述べた。
AP