• 「被災者が必要としているなら、米国はそのニーズに応える」と、アラブニュースが出席したブリーフィングで政府関係者は語った。
• 「アサド政権に対する政策に変更はなく、今後も変更される見込みはない」

レイ・ハナニア

シカゴ：米政府当局は24日、先週トルコとシリアを襲った地震の被災者を支援するため、救援物資と資金の提供を続けると述べ、シリアの政権に対する制裁は支援の妨げにならないと強調した。

米政府のジョン・カービー国家安全保障会議戦略広報調整官は、アラブニュースが出席したブリーフィングにて、「より多くの国際的な救援活動がシリアに行き渡るよう、米国は国連やトルコ政府と協力している」と記者団に語った。

カービー氏は、アントニー・ブリンケン米国務長官が20日にトルコを訪れ現地の状況を把握すると述べ、被災者支援の必要はあっても、シリアのアサド大統領政権に対する米国の政策が変わったわけではないと強調した。

「アサド政権と直接コミュニケーションはとっておりません。ご存知のように、我々は同政権と外交関係を持っていません。私たちの活動はすべて、国連や国連が提携している組織を通じて行われています。我々は長年にわたりこれらの組織と協力し、シリアの人々に援助が行き届くよう、援助や支援を提供してきました」とカービー氏は述べた。

「アサド政権に関する政策変更の話は出ていません。我々の制裁はすべて継続しています」

「ご存知のように、我々は1週間前に一般許可を出し、さらに多くの人道支援を行えるようにしました。人々が亡くなっている時、困っている時、米国はそのニーズに応えます」とカービー氏は付け加えた。

「しかし、アサド政権に対する我々の政策に変更はなく、今後変更される見込みもありません」

カービー氏は、先日トルコからシリアへの横断路がさらに2カ所開かれ、震災の被災者に多くの救援が届くようになったと述べた。

カービー氏はまた、ジョー・バイデン米大統領は、「トルコとシリアの両国で起きている深刻な人道的危機に対し、米国はあらゆる種類の援助を提供する用意があると明言しています」と述べている。

「シリアでは、シリア国民が必要な支援を受けられるよう、支援の流れを維持する必要があります」

「今週初めに下された、米国の輸送隊のために2つの国境通過路を追加開放するという決定は喜ばしいことですが、かなりの遅延がありました。シリアへのアクセスがさらに拡大することを望んでいます」

カービー氏は、被災者を支援するというアサド政権の主張を米国は疑問視していると述べ、「アサド政権に約束を破る余地を与えず、この重要な人道支援を必要としている多くのシリア人に届けることができるのは、合意を成文化する国連安保理決議だけだと考えています」と述べた。

カービー氏は、米国は8,500万ドル以上の援助と多岐にわたる物資を提供し、被災地の中でも立ち入り不可能な地域に援助を届けるため、ヘリコプターでの支援も行ったと述べた。

さらに米国は被災者に救援物資を届けるため、現地のパートナーを通じて活動していると付け加えた。

「現地スタッフにも地震による数名の死傷者がいるにもかかわらず、この数日間で95台のトラックが国境を越えて（シリア）北西部に入り、そうした活動を強化することができました」とカービー氏は言う。

さらに「そして現在も、米国政府のパートナーはシリアの全地域で救命支援を行っており、支援には緊急医療、避難所支援、食料、医薬品、水、衛生設備、一般衛生に関するものなどが含まれています」と続けた。

「また追加資金は、これらのパートナーの救援活動を後押しし、シリアで最も困難な状況にあるコミュニティを中心に、救援活動を強化・拡大するのに役立つでしょう」

「パートナーの中には、瓦礫の中から無数の生存者を救い出したホワイト・ヘルメット（シリア民間防衛隊）や、イドリブからアレッポ、その他の被災地で生存者の治療に当たっている米国の支援を受けたシリアの医師などがいます。多くの活躍があり、資金も同地域に投入されています」

カービー氏によると、住民が戻れるよう、アメリカのチームは残っている建物の居住性を評価し、撤去しているとのことだ。これまでに5,500棟以上の建物が撤去されたという。

「米軍は能力を強化して支援を行う準備があり、無論トルコ政府と連携して支援を行うつもりです」と述べた。