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シリア被災地へ思いのリレー=中学生が支援、頓挫危機に「助け船」―トルコ地震1年

教員の助言を受け、「同級生と手分けして企業300社以上にメールを送った」という。(AFP)
教員の助言を受け、「同級生と手分けして企業300社以上にメールを送った」という。(AFP)
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06 Feb 2024 12:02:53 GMT9
06 Feb 2024 12:02:53 GMT9

昨年2月にトルコ南部で発生した大地震で、被害を受けたシリアへ支援物資を送る中学生有志の取り組みを実現させようと「思いのリレー」がつながっている。生徒の呼び掛けに企業約30社が協力。物資を運ぶ船が中東情勢悪化で出航できなくなるトラブルに見舞われたが、無償で保管を申し出る物流会社も現れた。

活動のきっかけは、西大和学園中学校(奈良県河合町)3年の森孟子さん(15)が地震発生翌日の昨年2月7日、SNSで見たシリアの被災地の子供の動画だった。「自分と同じ子供が『私を召し使いにしてもいいから助けて』と言う言葉に衝撃を受けた」。翌朝から周囲に協力を呼び掛けた。

「現金だと子供より先に大人に渡ってしまうかもしれない」と考え、物資を送ることを決めた。教員の助言を受け、「同級生と手分けして企業300社以上にメールを送った」という。最初はほとんど返事がなかったが、諦めずに繰り返し目的と思いを伝えた。学校行事を利用して東京の企業も訪れ、大手スポーツ用品会社などの賛同を得ることができた。

森さんは友人と東大寺(奈良市)で募金活動も行い、50万円以上を集めた。約20人のメンバーで海外発送に必要なリストを作り、生理用品や衣類、文房具などを詰めた段ボール約450箱を昨年12月16日に横浜港へ送り出した。

しかし、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ攻撃に反発するイエメンの親イラン武装組織フーシ派が11月、紅海を通る船舶への攻撃を開始し、物資を運ぶ船が出発目前で欠航になった。森さんは「ここまでやってきたのに」と感情的になったと振り返る。

1年近い取り組みが水の泡となりかねなかったが、現地支援に当たるNPOの紹介で富士倉庫(横浜市中区)が、航行再開までの物資保管のため倉庫の無償提供を申し出た。同社の坂口雅彦社長は「(被災地を)支援したいと思う学生さんがいれば、実現を助けるのは企業として当然」とコメントした。

森さんは、支援の広がりに感謝する。被災地の子供たちには「内戦と地震被害という過去から解放され、自由になってほしい」と願い、物資が一日も早く到着することを祈っている。今年1月にも能登半島地震支援のため、再び募金活動を行った。「今後も学生の視点で問題と思うことに対して活動していきたい」と力を込めた。

時事通信

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