
ロンドン:英国は、イランがイエメンの反政府組織フーシ派に最新の武器を提供している証拠を初めて提示したと発表した。英海軍が押収したドローンのハードドライブから、テヘランにある革命防衛隊本部で実施された試験飛行の画像が見つかったという。
軍艦「HMSモントローズ」の乗組員が昨年2月、オマーン湾を高速で航行する複数の小型船を拿捕・捜索した際、ミサイルやミサイル部品とともにドローンを押収した。フーシ派への武器提供を禁じた安保理決議にイランが違反している証拠として、武器その他の品々は国連に提示された、と英国防省は13日ロンドンで述べた。
「イラン国家とこうした武器の供与との直接のつながりを示す証拠を初めて国連に提示できた」と国防省の職員は語った(省の方針に従い、匿名での発言)。
国連は2014年以降、フーシ派への武器供与を禁止している。この年、フーシ派は北の拠点から南下し、国際的に認められていたイエメン政府を転覆させて首都サヌアを掌握した。反政府組織への兵器供与について、イランは一貫して否定している。
海軍が押収した商用ドローンは偵察飛行用だった、と国防省は述べている。
調査によって機体内部の記憶装置に残存していたデータが解析され、テヘラン西部にある革命防衛隊の航空本部での22回の試験飛行の記録が発見されたという。
小型船にはドローンのほか、複数の地対空ミサイルや「Iranian Project 351」対地巡航ミサイルも積まれていた。
今回の発見は、イランがイエメンの紛争に介入している事実を補強するものだ。紛争は世界最悪の人道危機の1つを生み出している。
西側諸国や国連の専門家などは、暗視スコープやライフル、ミサイルなどのフーシ派の兵器がテヘランからもたらされていることを突き止めている。
直近では、フランス海軍が1月にオマーン湾で、イランからフーシ派のもとに運ばれようとしていた数千丁のアサルトライフルや機関銃、対戦車ミサイルを押収した。
昨年11月には、イランからイエメンへ向かう船に積まれていた肥料の袋からミサイル燃料成分70トンが見つかったと米海軍が発表した。
「イラン政府の見境のない兵器拡散や地域の安定を損なう活動が今一度示された」。英国のタリク・アフマド国務大臣(中東問題担当)はそう述べている。
「イランがフーシ派への軍事協力や武器禁輸違反を続けることで、紛争が悪化し、国連主導の和平活動が損なわれている」
AP