
アンマン:ヨルダンは26日にイスラエル・パレスチナ「政治・安全保障」会議を主催する。死者を出した暴力事件の後、占領下にあるパレスチナの領土に落ち着きを取り戻すのが狙いだ。ヨルダン政府関係者が明らかにした。
紅海のリゾート地アカバで開催されるこの会議には、米国とエジプトの代表も出席する予定だ。
イスラエルとパレスチナの間に「信用を築く」のが狙いだと、その関係者は25日に話した。
イスラエル軍が22日、1967年の「六日戦争」以降イスラエルが占領しているヨルダン川西岸地区ナブルスを急襲し、銃撃戦でパレスチナ人11人が死亡、80人以上が負傷したのを受けて、この会議は開かれる。
第2次インティファーダ(パレスチナ人蜂起)が終わった2005年以降では最多の死者数となった。国連はその年に死傷者数の調査を開始した。
今年に入ってからの騒乱の激化に、国際社会は懸念を強めている。2022年に行われた暴力行為によるヨルダン川西岸地区の死者数は、国連が調査を開始して以降、最多だった。
「この政治・安全保障会議は、パレスチナ自治政府や他の当事者と連携し、ヨルダンが強化している継続的な取り組みの一部だ。その取り組みの目的は、(イスラエルによる)一方的な措置と、さらなる暴力行為を助長する可能性がある治安の崩壊を終わらせることだ」とそのヨルダン政府関係者は述べた。
この会議の目的は、「パレスチナ人の苦しみを和らげる安全保障・経済措置」に至ることだと、その関係者は付け加えた。
ヨルダンは、エジプトと同様に、イスラエルと平和条約を結んでいる。
今年に入ってから、イスラエルとパレスチナの紛争によって、パレスチナ人の大人と子供62人の命が奪われている。
22日に行われた急襲作戦は、イスラエルがヨルダン川西岸地区で行っている、死者を出している一連の軍事作戦の中で最新のものだ。イスラエルを率いているのは、史上最右翼とみなされている新連立政権だ。
12月に返り咲いたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、1月にアンマンを訪れ、ヨルダン国王アブドッラー2世と異例の会談を行った。
国王は「平静を保ち、あらゆる暴力行為をやめる必要がある」と強調したと、ヨルダン王宮はその時発表した。
国王はまた、数十年続く紛争を終わらせるためにイスラエルとパレスチナの2国家共存を支持するヨルダンの立場を再確認した。
AFP