
アラブニュース
ジェッダ:アラブ諸国の国会議員団は26日、シリアのバッシャール・アサド大統領とダマスカスで面会した。同国の紛争を巡る10年以上の孤立状態の解消へ向けた動きの1つだ。
イラク、パレスチナ、リビア、エジプト、UAEの議会の代表者およびオマーンとレバノンの代表者が、アラブ議会の代表団としてシリアを訪問した。
国営シリア・アラブ通信によると、代表団はシリアの国会議員およびアサド大統領と面会したという。
「私たちはシリアなしではやっていけないし、シリアもアラブの環境がなければやっていけない。以前の状態に戻ることを願っている」。イラク国民議会のムハンマド・ハルブーシー議長はそう語った。
2011年、アサド大統領の統治に対して抗議活動が巻き起こり、その取り締まりの過程で死者が出た。それ以降、シリアはアラブ世界でほぼ孤立状態にあった。
アラブ連合は同年にシリアの資格を停止し、多くのアラブ諸国がダマスカスから大使を引き上げた。
しかし2月6日に壊滅的な地震が起きて以降、アラブ諸国から支援が注がれており、アサド大統領はその恩恵を受けている。国連やシリア政府の集計によると、地震による国内の死者は5900人以上。
サウジアラビアやUAEも支援に乗り出している。
UAEはあらゆる国の中で支援物資を積んだ便を最も出しており、その数はロシアやイランも上回っている。
エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領が2月7日にアサド大統領と電話で初めて会談する一方で、ヨルダンの外相は15日にダマスカスを初めて訪問した。
アサド大統領は地震後初の外国訪問として、20日にオマーンを訪問した。大統領は2022年にUAEを訪問したが、これは11年の紛争開始後初のアラブ諸国訪問となった。
代表団はシリア訪問に先立ち、バグダッドで小規模な会合を開催した。その中で、紛争にかかわらずシリアを連合に復帰させるアラブ連合の意思が確認された。
エジプト議会のハナフィー・エル・ゲバリー議長は、アラブの代表団が地震後に「シリアの人々を助けるために兄弟国のシリアを訪問している」とダマスカスで語った。議長はダマスカス会合の共同声明を引用し、「シリアをアラブ世界に引き戻す」プロセスに着手する必要性を訴えた。