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米国防長官がイラク訪問中に、米国は関係の「強化」を望んでいると発言

事前発表なしでバグダッドを訪れた際に、飛行機のわきでマシュー・マクファーレン少将の出迎えを受けるロイド・オースティン米国防長官(ロイター)
事前発表なしでバグダッドを訪れた際に、飛行機のわきでマシュー・マクファーレン少将の出迎えを受けるロイド・オースティン米国防長官(ロイター)
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08 Mar 2023 06:03:23 GMT9
08 Mar 2023 06:03:23 GMT9

バグダッド:サダム・フセインを倒した米国主導による侵攻から20周年の節目を前にして、バグダッドを訪問したロイド・オースティン米国防長官は7日に、イラクとの関係の「強化と拡大」を望んでいると述べた。

オースティン国防長官はまた、イラクのムハンマド・シア​​・アル・スダニ首相に、米軍はイラク政府の要請に応じて同国内に「留まる用意ができている」と述べた。議論となっているこの問題については両国共に世論が割れている。

事前に公式発表のなかった今回の訪問は、イラクが今ようやく抜け出そうとしている20年にわたる流血の発端となった地上侵攻の開始日、3月20日を前にしてのもの。

オースティン氏はスダニ首相とターベット・アル・アッバシ・イラク国防相との会談の後、「私はパートナーシップの未来について楽観視している」と、バグダッドで記者らに述べた。

「米国は、イラクの安全、安定、主権を支援するため、パートナーシップの強化と拡大を継続していく」

イラクのスダニ首相はオースティン氏に対し、自身も米政府との「関係を強化し、強固なものとする」ことを望んでいると述べ、イラク政府の「地域および世界の勢力とバランスのとれた関係を維持」する姿勢を強調した。

米国主導の連合軍が2003年にサダム政権を打倒して以来、宗派間の権力分配体制のもとで、イラクの多数派シーア派が同国を主導している。

代々の政権は、米国の大敵である、シーア派が主導する隣国イランと密接な関係を築いてきており、イラク政府は微妙なバランスを保っている。

2014年にイラク北部および西部を制圧したダーイシュに対するイラクの戦いにおいて、米政府とイラン政府は共に広範な支援を提供した。

テロリストたちは2017年にイラク領土から追い出されたが、イラクおよび隣国シリアの砂漠や山岳の隠れ家に潜伏工作員を保持している。

イラクは2021年の終わりに米国主導の連合軍による討伐作戦の終了を発表したが、およそ2,500人の米国の非戦闘部隊が助言と訓練のためにいまだ配備されている。

「この重要な仕事を継続するために、安全かつ確実に活動できなくてはならない」とオースティン氏は述べた。

近年、連合軍が駐留する基地は、親イラン勢力によるものとされるドローンおよびロケット攻撃を受けている。

米国防長官は、「イラク国内の連合軍を...国家および非国家主体から守るために注力している」ことについてスダニ氏とアッバシ氏に感謝を表明した。

オースティン氏はイラク訪問の前に、この地域における米国の忠実な同盟国である隣国ヨルダンでアブドッラー2世国王と会談した。

オースティン氏はそこで、「イラクの安全と安定への注力の維持、地域におけるその他の安定を脅かす活動への対処...といったさまざまな共有の課題に対する関心」を表明したと、米国防省は声明で述べている。

オースティン氏はイラクのクルド人地域も訪問し、米国と同盟関係にある北部自治区のネチルヴァン・バルザーニ大統領と自治区首都エルビルで会談した。

「イラク国家がその潜在能力の全てを発揮するためには、エルビル(クルド自治政府)とバグダッド(イラク政府)が全イラク国民のために協力しなくてはならない」とオースティン氏は述べた。

バルザーニ氏は「イラクとクルド人地区に対する継続的な支援」について米国への謝意を表明し、「我々はイラクの安全と安定を維持するという点で米国と関心を共有している」と述べた。

膨大な石油とガスの埋蔵量にもかかわらず、イラクは数十年にわたるインフラと公共サービスへの投資不足に苦しんでおり、繰り返し抗議運動が起こっている。

2021年10月の選挙の後、丸1年にわたって政治的空白が続いた末に、スダニ氏が親イラン派主導の政府の首相に就任した。

イランの訓練を受けた集団が多数を占めるイラクのハシュド・アル・シャアビ(民衆動員部隊)の政治部門は、残留する連合軍全ての撤退を長くにわたって要求していたものの、政権入りを果たして以来、この要求の声は小さくなっている。

イランの国外作戦司令官ガーセム・ソレイマニ将軍と、そのイラクの副官でハシュド・アル・シャアビのナンバー2のアブ・マフディ・アル・ムハンディス氏が2020年1月にバグダッド空港でドローン攻撃によって暗殺された後、ドナルド・トランプ政権のもとで、米国とイラクの関係は急激に悪化した。

侵攻記念日を控えたイラクは、アントニオ・グテーレス国連事務総長や、イラン、ロシア、サウジアラビアの外相といった、多くの外国高官を迎えている。

ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は、7日に4日間の訪問を開始し、バグダッドでイラクのフアード・フセイン外相の歓待を受けた。

「ダーイシュは依然として脅威である。対ダーイシュ連合とNATOミッションの一部として...ドイツ兵がここにいる理由はそれだ」と、ベアボック氏は記者会見で述べた。

AFP

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