
ランダ・タキエディン
パリ:子どもの権利を保護する団体は金曜、シリアにおける最後の反体制派が支配していた地域に対するシリア政権による2カ月に及ぶ攻撃により発生した約40万人の避難民の半数が子どもたちであり、シリア戦争でこれまで見られたことのない避難民の波だと呼び警告した。
同盟国ロシアの支援を受けたシリア政府軍による攻撃は、主に北西部のイドリブ州を中心に行われており、最近では隣接するアレッポにも及んでいる。これは首都ダマスカスと北部を結ぶ戦略的幹線道路の支配権を奪おうとする試みである。
国連の推定によると、この2カ月間で39万人のシリア人が避難民となった。そのうち12月の避難民の数は31万5千人で、1月は7万5千人に上った。
人権保護団体のセーブ・ザ・チルドレンによると、避難民の半数は子どもたちで、1月には少なくとも3万7千人の子どもたちが避難を余儀なくされた。
国連によると、1月中旬の1週間で、34人の子どもと13人の女性が殺害された。
市民 たち(戦闘初期の段階ですでに避難したものもいる)が攻撃下の町や村から逃げるためにわずかな持ち物を詰め込んだトラックや他の車で道路はひしめき合っている。
セーブ・ザ・チルドレンによると、イドリブとアレッポで活動している人権保護団体パートナーが何マイルにも及ぶ車列を「これまで見たこともないような大規模の移動」だと表現した。
米国の対シリア特別代表であり、イスラム国掃討に向けた国際有志連合の特使であるジェームス・F・ジェフリー大使によると、米国と欧州は、イドリブ攻撃を理由に、アサド政権に対する制裁を強化している。
同大使は、米国政府はロシアとイランの支援を受けた「アサド政権によるイドリブでの執拗な攻撃にがくぜんとし、恐怖を感じている」と述べた。
この行為は2015年に行われた国連決議第2254号の違反であり、ロシアが合意したにもかかわらず無視し続けている最近のいくつかの停戦決議にも違反していると付け加えた。
「これは、アサド政権が妥協による解決ではなく軍事的解決を望んでいることを示している」とジェフリー大使はメディアに語った。
また、米国は近い将来のシリアからの米軍撤退を計画していないと述べた。
同氏によると、EUとアラブ連盟加盟国は、シリアの次の措置について協議するためロンドンで会合を開いたという。
「イスラム国がシリアとイラクの間で約1万4千人から1万8千人のテロリストからなるテロ活動を復帰させようとしており、イスラム国は両国を唯一の前線と見なしている」と、ジェフリー氏は語った。
「我々は、イラク政府及びシリアの現地当局と協力して、この惨劇と戦っている。昨年10月のトルコが侵攻した際に一時的にシリアから後退したが、現地のパートナーであるシリア民主軍との全面作戦を再開した」