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ネタニヤフ首相、司法改革について譲歩を求めるショルツ首相に反論

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を迎えるドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領。2023年3月16日、ベルリンのベルビュー宮殿。(ロイター)
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を迎えるドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領。2023年3月16日、ベルリンのベルビュー宮殿。(ロイター)
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17 Mar 2023 08:03:50 GMT9
17 Mar 2023 08:03:50 GMT9
  • ネタニヤフ首相の強硬派連立政権が司法改革案を発表して以来、イスラエル国内ではデモが何週間にもわたって発生している
  • ショルツ首相は、イスラエル国内での議論の展開を「大きな懸念を持って」注視していると認め、「とどめの一言が発せられていないことを、我々はイスラエルの友人として望む」と述べた

ベルリン:16日にベルリンを訪問したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、論争の的となっている司法改革について譲歩を検討するよう求めたドイツのオラフ・ショルツ首相に対し、猛然と反論した。

ネタニヤフ首相の強硬派連立政権が司法改革案を発表して以来、イスラエル国内ではデモが何週間にもわたって発生している。それを受け、同国のイツハク・ヘルツォグ大統領はこの国が「内戦」の瀬戸際にあるのではないかと警鐘を鳴らした。

ショルツ首相は、イスラエル国内での議論の展開を「大きな懸念を持って」注視していると認め、ヘルツォグ大統領の譲歩案に対して「とどめの一言が発せられていないことを、我々はイスラエルの友人として望む」と述べた。

主に儀礼的な役割を担うヘルツォグ大統領は15日に譲歩案を提示したが、ネタニヤフ首相は「現状を永続させるだけで、権力間に必要なバランスをもたらさないものだ」として即座に拒否した。

ベルリンでのネタニヤフ首相は開き直った態度で、自分の計画はイスラエルの民主主義を「欧米の全ての民主国家で普通に受け入れられている現状に沿った」ものにしようとしているだけだと主張した。

また、首相自身および連立政権の意図に対する「誹謗中傷」を激しく攻撃した。

ネタニヤフ首相は記者会見でショルツ首相の隣に立ち、「イスラエルは絶えず(…)中傷されている。私は(…)民主主義を破壊しようとしている支配者だとか何とか言われている」と非難した。「おかしな話、馬鹿げた話だ」

超正統派ユダヤ教政党や極右政党を含むネタニヤフ首相の連立政権は、司法改革は司法の行き過ぎを制限するために必要だとしているが、重要な抑制と均衡のシステムを弱体化させることでイスラエルの自由民主主義を脅かすものだとデモ参加者たちは抗議している。

全国的なデモが10週連続で続いている中、司法改革案は汚職疑惑で公判中のネタニヤフ首相を守るためのものだという批判の声も上がっている。

論争が鎮まる様子を見せない中、ヘルツォグ大統領は15日遅くに次のように警鐘を鳴らした。「人命が犠牲となる本物の内戦が起こるようなことはないと考えている人は、まるで分かっていない」

「イスラエル独立75周年のまさに今、地獄がすぐそこまで来ているのだ。彼らに言ってやった言葉を今あなた方に言おう。『内戦はレッドライン(越えてはならない一線)だ』」

「それは起こさせない」。そう言った大統領は、イスラエル国民の多数が譲歩案を望んでいることを確信していると述べた。

連立政権が提案する司法改革は、法律を無効とする最高裁判所の決定を議会が過半数の賛成で覆すことを可能にするとともに、そのようにして再成立した法律を審査する最高裁の権限を否定するものだ。

また、最高裁がイスラエルの準憲法である「基本法」に違反していると見なす法律を無効にすることも難しくなる。

16日、イスラエルの街頭に再びデモ隊が繰り出した。司法改革は「民主主義の終わり」を意味すると書かれたプラカードを掲げた人もいた。

ベルリンでも、ネタニヤフ首相とショルツ首相が会談を行った首相官邸にほど近いブランデンブルク門に数百人のデモ隊が集まった。

イスラエル人のオレン・ゴールドベルグさん(44)は、このデモに参加するためにオランダからベルリンに来たという。

彼はAFPに対し、「イスラエルで独裁者になりたがっている人物を大歓迎するために、そして私たちはそれを受け入れないということを示すためにここに来ました」と語った。

イスラエル国内での論争により、ドイツは居心地の悪い立場に置かれている。

両国は第二次世界大戦後の数十年で強力な外交関係を築いてきた。ドイツはホロコーストの償いとしてイスラエル国家の保全を確約してきた。

ドイツの歴代政権は、イスラエルの国家安全保障は外交政策上重要な優先事項であるとしてきた。

ドイツ政府のシュテフェン・ヘベシュトライト報道官は13日、ネタニヤフ首相は「選挙で選ばれたイスラエルの首相であり、故にドイツに来る通常の客人だ」と述べた。

しかし、イスラエル国内で騒動が続く中、ドイツの指導者らは慎重に言葉を選びながら懸念を口にしている。

ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領はネタニヤフ首相との会談前夜、同首相に対し司法改革の問題を提起するつもりだと明かした。

また、イスラエルは「地域全体で唯一の民主主義国家であり、強力な憲法を持った国家だ」と述べた。「我々が敬服してきたイスラエルの美点(…)が守られることを期待している」

AFP

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