
カイロ:トルコ外相メヴリュット・チャヴシュオール氏は土曜日エジプト外相とカイロで会談を行った。同氏の訪問は10年間の関係断絶に終止符を打つものだ。
エジプト外務省のスポークスマン、アフメド・アブ・ザイド氏によると、チャヴシュオール氏はエジプト外相サーメハ・シュクリ氏と会談し、双方向の関係構築について「様々な角度から」話し合った。
シュクリ氏が語ったところでは、両国は「双方の利益になる解決」を求めて政治経済上の関係を再構築するための共通の地盤を見出したとのことだ。
同氏はテレビ放送された共同記者会見で、「会談は突っ込んだもので、公明正大かつ率直なものだった。我々は前向きで、両国の利益になることは何でも取り上げている」と語った。
チャヴシュオール氏は2013年に大使の交換が断絶して以来の失われた時間を取り戻すと語った。
「未探索の大きな可能性があるが、残念なことに9年の月日が失われ、それを取り戻すには膨大な努力が必要だ」と同氏は述べた。
また同氏は、両国関係が悪化したのは「対話の欠如と誤解の結果」だと付け加えた。
大使の任命についてチャヴシュオール氏は、外交関係は「可能な限り最高レベルのもの」に回復するに違いないと述べた。また5月のトルコの選挙後には、トルコ大統領レジェップ・タイップ・エルドアン氏とエジプトのアブドゥル・ファッターハ・エルシーシ大統領の公式会談もあり得るとの見解を示した。
トルコとエジプトの関係は、2013年、当時エジプト軍の大将だったアブドゥル・ファッターハ・エルシーシ氏が主導して、親トルコ派のムスリム同胞団のモハメド・ムルシー氏を追放して以来緊張関係にあった。エルシーシ氏は翌年大統領に選ばれている。
両国はまた近年、リビアの内紛でそれぞれが対立する勢力を支援し、東地中海のガス資源をめぐっては海上の境界線を巡って争うなど、対立してきた。
トルコがエジプト、UAE、イスラエル、サウジアラビアとの緊張を緩和する努力に踏み出す中、2021年にはトルコとエジプトの外務省高官による対話が始まった。
そういった暫定的な和解の一環として、トルコは同国内で活動するエジプトの反体制派テレビ局に対し、エジプト批判をやわらげるよう申し入れた。
先月トルコとシリアで5万人以上が亡くなった大地震の後には、エジプト外相サーメハ・シュクリ氏が連帯の表明としてトルコを訪問している。
エジプト政府によれば、同国の深刻な外貨不足に対し、先月トルコの複数企業がエジプトに5億ドルの投資を約束したということだ。
ロイター