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トルコとエジプトの外交的和解を後押しする会談が実現

2023年3月18日、カイロでトルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相に挨拶するエジプトのサーメハ・シュクリ外相。(AFP)
2023年3月18日、カイロでトルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相に挨拶するエジプトのサーメハ・シュクリ外相。(AFP)
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19 Mar 2023 10:03:56 GMT9
19 Mar 2023 10:03:56 GMT9
  • トルコはエジプトとの外交関係を「できるだけ早く」大使の再派遣をするレベルに上げる、とチャヴシュオール外相は述べた
  • トルコの企業が先月、エジプトの財政危機脱却を支援するため約5億ドルの投資を約束したと報じられた

メネクセ・トキャイ

アンカラ:18日にカイロでトルコとエジプトの外相会談が開かれた。緊張関係が続いてきた両国にとって、この種の会談は約10年ぶり。次の問題は、この対話がどのように行動に移されるかということである。

トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相とエジプトのサーメハ・シュクリ外相は、対立する立場を支持するリビア、キプロス、東地中海における海事問題など、いくつかの問題について話し合った。

東地中海におけるトルコとエジプト間の海洋境界線の画定は、両国にとって最も重要な共通の関心事であることに変わりはない。もし決着がつけば、この地域の流れが一気に変わるだろう。

トルコはエジプトとの外交関係を「できるだけ早く」大使を再派遣するレベルに上げる、とチャヴシュオール外相は述べた。

トルコは2013年後半から、活動家を含む反体制派のエジプト人数人を受け入れているが、彼らは完全な難民認定を受ける資格がない。

先月、トルコ企業がエジプトの財政危機脱却を支援するために、約5億ドルの投資を約束したと報じられた。トルコ企業はエジプトで、繊維、鉄鋼、ガラス、家電の分野で活躍している。

カイロに拠点を置くMEEM中東・東地中海研究センター(MEEM Center for Middle East and Eastern Mediterranean Studies)のディレクター、ダリア・ジアダ氏はアラブニュースにこう語った。「エジプトとトルコは共通の歴史と文化を持っていますが、政治的イデオロギーの面でいくつかの相違点があります。今日、その相違点を克服して二国間および地域の利益に基づいて妥協する方法を見つけるために両者が同じテーブルに着くのを目にするのは驚異的なことであり、賞賛と激励に値します」

「両国の、大使を再派遣するレベルでの外交関係改善は、その方向への一歩です。しかし、次の段階で本当に最も必要なのは、民間外交です。本当に重要なことは、長期的に目に見えてきます。国家の指導者はいつでも変わり得ますが、国民は常にそこにいます」

トルコはもはや、エジプトの反体制派にとって政治的な安全地帯ではない。エジプトでの反政府デモの呼びかけを支持するソーシャルメディアへの投稿や放送をした数人のエジプトの反体制派が、トルコ当局に逮捕された。2021年以降、トルコ政府はトルコで活動するエジプトの野党メディアチャンネルに対し、エジプト政府に対する批判のトーンを下げるよう促している。ムスリム同胞団系のエジプトの衛星テレビチャンネル「Mekameleen TV」は昨年、トルコにあった運営拠点を去った。

「トルコ当局は、彼らがトルコ領を発射台としてエジプト国家を攻撃することを公式に阻止しました」とジアダ氏は述べた。「それは大きな一歩でした。これらの野党グループは主にムスリム同胞団から資金援助を受けていますが、ムスリム同胞団は指導部の中や、指導部と草の根(支持者)の間にいくつかの分裂があるため、弱体化しつつあるのです」

アンカラに拠点を置くシンクタンクORSAMのイスマイル・ヌマン・テルチ副所長は、両国の関係が正常化すれば、この地域における相互的な外交的役割や影響力が高まるだろうと述べた。

「また、経済的、軍事的なポテンシャルを上げることが可能になります。トルコ企業がエジプトの一部分野でより積極的に活動し、トルコ製品のエジプトでの取引を促進することができるでしょう」と、テルチ氏はアラブニュースに語り、両国が東地中海とエネルギールートについて合意に達する可能性が高いと考えていると述べた。

テルチ氏はこう続けた。「両国とも地域の安定と平和の推進を優先しているため、エジプトはトルコとのハイレベル協議の後、リビアに対する姿勢を改める可能性があります。その結果、エジプトとトルコがリビア紛争について合意に達し、この目標に向けて協力することができます」

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