パレスチナ自治区ラマッラー:パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、月曜日、極右として知られるイスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相のパレスチナ人は存在しないという発言を「扇動的」だとして非難した。
「パレスチナ人は存在しません。パレスチナの人々など存在しないからです」と、スモトリッチ財務相は日曜日に述べた。フランス系イスラエル人のシオニスト活動家ジャックス・クップファー氏の言葉の引用だった。スモトリッチ財務相はパリで開催されたイベントでこの発言を行い、そのビデオはソーシャルメディアで広まった。
「2,000年間に及ぶ流浪の後、エレミヤ、エゼキエル、イザヤの予言が実現し始めました。そして、神は彼の民を集め、イスラエルの民は故郷に帰ろうとしているのです」と、スモトリッチ財務相は語った。
「これが気に入らないアラブ人たちが周囲にいます。それで、彼らはどうしたでしょうか?アラブ人たちは、シオニスト運動と闘うためだけに、架空の人々を捏造し、イスラエルの土地に対して偽りの権利を主張し始めたのです」と、スモトリッチ財務相は付け加えた。
スモトリッチ氏は、昨年、イスラエルの老練な指導者であるベンヤミン・ネタニヤフ氏の内閣の閣僚となった。専門家らは、この内閣をイスラエル史上最も右派的な政権と見做している。
「これが歴史的真実であり、聖書上の真実でもあるのです…イスラエル国内のアラブ人たちも、イスラエル国内で混乱してしまっているユダヤ人も、同様にこれに耳を傾けなければいけません。ここ(パリの)エリゼ宮でも、ワシントンのホワイトハウスでも、この真実には耳を傾けなければなりません。あらゆる人がこの真実に耳を傾けなければならないのです」と、スモトリッチ財務相は続けた。
月曜日のパレスチナ自治政府の閣議に先立って演説したシュタイエ首相は、この「扇動的な発言は、『土地の無い人々のための人々のいない土地』という最初のシオニストの言葉と一致しています」と語った。
スモトリッチ財務相の発言は、「現在のイスラエル政府の…過激かつ人種差別主義的なシオニスト主義の決定的な証拠です」と、シュタイエ首相は述べた。
スモトリッチ財務相と彼の宗教的シオニズムグループは、パレスチナ人について扇動的な発言を行ってきた経緯がある。
2月には、2人のイスラエル人がハマスの過激派とされる人物に射殺され、その後、スモトリッチ財務相は占領下のヨルダン川西岸地区の町ハワラを「壊滅」させることを呼びかけていた。
このヨルダン川西岸地区の町では、その後、数百人の暴徒化したイスラエル人入植者がパレスチナ人たちの住居と自動車に火を放ったのだった。
AFP