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イスラエル、ネタニヤフ首相の罷免の条件を狭める法案を可決

ベンヤミン・ネタニヤフ氏は自身に対する汚職容疑をすべて否定しており、裁判は自らを首相職から追放するための政治的陰謀だとしている。(AP)
ベンヤミン・ネタニヤフ氏は自身に対する汚職容疑をすべて否定しており、裁判は自らを首相職から追放するための政治的陰謀だとしている。(AP)
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23 Mar 2023 09:03:34 GMT9
23 Mar 2023 09:03:34 GMT9
  • 現首相を汚職裁判の影響から守るためではないのかという懸念の声が上がっていた
  • 「現在我々が目にしているのは、一連の強い不安を呼び起こす立法行為であり、しかもそれがとてつもないスピードで進行している様子である」

エルサレム:3月23日、イスラエルは首相の罷免が可能となる条件を狭めることを定めた法案を可決した。法案をめぐっては、政府の法曹家からベンヤミン・ネタニヤフ現首相を汚職裁判の影響から守るためではないのかという懸念の声が上がっていた。

国家指導者を「不適任」とする条件の変更は、宗教右派色の強い現連立政権による法的措置の1つだが、これら措置は野党から司法権の独立を危険にさらすとして批判を浴び、イスラエルを危機に陥れていた。

連立政府は、司法改革案は最高裁の越権行為を阻止し、政府諸機関の間の均衡を取り戻すためのものだとしている。

クネセト(イスラエル国会)での最終採決では、賛成61、反対47票で法案は可決された。この法案では、首相職にある者は、自身または閣僚の4分の3によって肉体的または精神的事由によりそのように宣告された場合にのみ職務遂行に不適格と見なされ、罷免される。

これらの規定は、首相が職務遂行能力を失った場合に政府が従うべき指針を示した憲法に準ずる「基本法」を具体化したものである。これまでは、基本法はこのような状況の原因となる条件の詳細を定めていなかった。

無党派のイスラエル民主主義研究所(IDI)によると、以前はこの規定により、ネタニヤフ氏が自身の関わる3件の裁判の差し止めに動いた場合、ガリ・バハラフ・ミアラ司法長官から首相として不適格と判断される可能性があった。

法案の可決により、このような事態が起きる可能性はなくなったと、IDIのアミール・フックス上級研究員は指摘したが、フックス氏自身は司法長官によるこのような判定は「極端な例」であり、現実に起きる可能性は低いと考えていたとも述べた。

ネタニヤフ氏は自身に対する汚職容疑をすべて否定しており、裁判は自らを首相職から追放するための政治的陰謀だとしている。

中道派の前政権から任命されたバハラフ・ミアラ司法長官は先月、ネタニヤフ氏が裁判中の身であり、利益相反が生じる可能性があることから、ネタニヤフ氏は政権が進める司法改革とは距離を置かなければならないと発言していた。

ギル・リモン副司法長官は21日のクネセトでの法案審議中に、首相の罷免に関する法案をめぐる懸念を表明した。

「現在我々が目にしているのは、一連の強い不安を呼び起こす立法行為であり、しかもそれがとてつもないスピードで進行している様子である」とリモン氏は公式の発言録によると述べた。

「これらの法案は、ある1人の人物に対する訴訟手続きの結果に関して、その人物の個人的利益に役立つ可能性を持つものだ」

ロイター

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