ラマッラー:ヨルダン川西岸地区と東エルサレムにおけるイスラエル軍のパレスチナ人襲撃がラマダン期間中に頻度を増して継続していることを、アラブニュースの取材に対し、パレスチナ人情報提供者が確認した。
28日、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区の各地の市民13人を拘束した。また、4日連続でナブルスの南に位置する町フワラに対する支配強化を続けた。
ハワラのファタハ書記官カマル・オデ氏は、イスラエル軍は主要道路に集中的に展開して、障壁を設置し、市民を町中の細い道へと迂回させようとしていると述べた。
目撃者によると、イスラエル軍はフワラ中心部で主要道路沿いのいくつかの住宅を軍の兵舎にしたという。
ナブルスの人権活動家アメル・ハムダン氏はアラブニュースに対し、ナブルスからラマッラーまで普段は車で1時間で行けるが、今日はフワラにあるイスラエル軍の検問所のせいで2時間半かかったと述べた。
「ナブルス周辺の治安状況は恐ろしいものになっている」と、ハムダン氏はアラブニュースに語った。
一方、28日にイスラエルのブルドーザーがエルサレムの東にあるAl-Sawahra原野の農業施設3つ、サルフィートの西にあるDeir Ballutの商業施設1つを取り壊した。
サルフィート知事のアブドゥラー・カミル少将は、イスラエル当局によるサルフィートの住宅や施設を破壊する政策は、最もひどく冷酷なやり方のひとつであり、より多くのイスラエル入植地を建設するためにパレスチナ人市民を彼らの土地から追い払うという占領者の計画のためのものだと述べた。
過去数時間の間に、入植者の武装集団がナブルスの南のフワラに大規模な攻撃を仕掛けた。
情報提供者によると、市民を襲撃するイスラエル軍の保護のもとで、入植者らが家屋を攻撃し、車両を燃やしたという。
28日、入植者らはベツレヘムの西に位置するHusan村の土地でオリーブの木14本を切り倒した。10日ほど前にも、入植者らはこの地域で50本のオリーブの木を切り倒している。
パレスチナ労働組合総連盟のシャヘル・サアド書記長は、国際労働機関(ILO)の実態調査委員会に、イスラエル国内でのパレスチナ人労働者に対する違反行為についての年次報告書を提出した。
報告書には、イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人労働者の人数(2022年に93人、2023年の最初の2か月半に31人)や、障壁や通路を通る際に労働者がさらされるリスクのほか、労働者の給料からひと月に約3400万ドルを差し引くブローカーに関わる違反行為についても記載された。
サアド氏は委員会に、労働者の金をイスラエルのOtaim社に渡すイスラエル政府の手続きは、労働者の権利を脅かし、パレスチナにおける社会保障の実施を妨げるものだと説明した。
報告書にはこのほかに、法律に定められた時間を超過する労働時間などの労働者たちが直面する日々の違反行為、特に職業衛生・安全基準の欠如についての記載が盛り込まれた。
ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人およそ14万人がイスラエルで、3万人がイスラエル入植地で就労しており、1万7千人がガザ地区から就労している。
パレスチナ囚人クラブの代表カドゥラ・ファリス氏はアラブニュースに対し、2021年以降、パレスチナ人治安囚人の間でがん患者が増加しており、現在24人の囚人ががんを患っているという。
同氏によると、刑務所管理局は囚人に対する医療怠慢政策を意図的に推し進めており、1967年以降に刑務所で死亡した236人のうち75人はこれによって死亡した。
「医療怠慢政策はイスラエルの刑務所管理局が推し進める最も危険な政策だ」とアラブニュースに述べたファリス氏は、加えて、この数年にわたってイスラエルの刑務所で診断された約700人の病気の囚人が厳しい健康状態に直面しており、そのうち約200人は慢性疾患を患っていると語った。
イスラエルの監獄には4,780人のパレスチナ人治安囚人が収監されている。