
ロシアは、過激派組織ダーイシュに対抗する米国主導の連合軍に対し、シリアで米軍が「挑発的行動」を行ったと抗議した。タス通信が31日に伝えた。
タス通信は、一連の事件は北東部ハサカ県で発生したとのロシア政府高官の発言を引用している。米軍はダーイシュと戦うために約8年前からシリアに軍隊を展開している。
連合軍もシリア軍も完全に掌握していない人里離れた地域には数百人のダーイシュ戦闘員が野営している。シリア北部でトルコと共に合同パトロールを実施しているロシアは、連合軍が活動できる特別区域に合意している。
しかし、ロシアのシリア各派和解調整センター所長であるオレグ・グリノフ海軍少将がタス通信に語ったところでは、合意区域の外にある地域で米軍が2度目撃されたという。
同少将は、「ハサカ県において米軍部隊側の挑発的行動が見られた(…)ロシア側は連合軍に抗議した」としつつも、詳しい日時については明らかにしなかった。
米軍は先週、シリアの親イラン組織に対して複数の空爆を実施した。米軍は、同国北東部の連合軍基地で米国人請負業者1人を殺害したドローン攻撃を行ったのはこれらの組織だとしていた。
ロシアは2015年にシリア内戦に介入し、戦況をバッシャール・アサド大統領側に有利に変えた。それ以降、ロシアは同国で軍事施設を拡大しており、常設空軍基地や海軍基地も建設している。
ロイター