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フーシ派は人命を救うために地雷の位置を全て明らかにすべき:活動家と政府

イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相は先日、地雷は同国政府ではなくイランやヒズボラによって製造されたものだと述べた。(提供写真)
イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相は先日、地雷は同国政府ではなくイランやヒズボラによって製造されたものだと述べた。(提供写真)
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04 Apr 2023 12:04:45 GMT9
04 Apr 2023 12:04:45 GMT9
  • 「数百万人に対する脅威であり、国の経済回復を妨げている」
  • これらの地雷はイランやヒズボラによって製造されているとイエメンの閣僚は言う

モハメド・アル・キナニ

リヤド:フーシ派はこれ以上の流血を防ぎイエメンの経済回復を支援するために、設置した地雷の位置を全て明らかにすべきだと、活動家や政府関係者は訴えている。

イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相は先日、これらの地雷は同国政府ではなくイランやヒズボラによって製造されたものであり、2014年のフーシ派のクーデター以降「無差別な」設置が行われていると述べた。

また、フーシ派は「軍事区域と民間区域を区別」していないとして、「(それは)イエメン国民の現在と未来に対して犯されている最も重大な犯罪の一つ」だと非難した。

「フーシ派は第二次世界大戦以降で最大規模の地雷を設置した。人々の家、学校、モスク、市場、牧草地、農地、水源、公共サービスの建物、国の機関などの中に地雷を設置したのだ。主要道路や二次的な道路、国際海運回廊にもだ」

アル・エルヤニ情報相によると、「国家地雷対策プログラム」は「フーシ派が設置した地雷によって民間人(主に女性と子供)が死亡あるいは負傷した事例を7000件以上」記録している。同プログラムのレポートによると、これらの地雷は2014年以前はイエメン軍の装備になかったもので、イランの革命防衛隊やレバノンのヒズボラから来た専門家の監督のもとフーシ派によって国内で製造された。

「イランから来た専門家の監督のもと、フーシ派は対戦車地雷を対人地雷に変え、ロケット弾、戦車用砲弾、大砲用砲弾などの従来の爆薬を用いて即席の爆発装置を巧妙に製造し、地雷や爆発装置を岩のようにカモフラージュし環境に自然に溶け込むようにした」

アル・エルヤニ情報相によると、フーシ派は「機雷を製造して紅海やバブ・エル・マンデブ海峡に設置している。貨物船や石油タンカーを標的としたものであり、国際海運ルートの安全も脅かしている」。その結果、過去数年間に「数十件の事故」が発生している。「貨物船や漁船が機雷に接触し、漁業関係者数百人が死傷した」

同情報相は続けた。「正統政府は国家地雷対策プログラムや国防省軍事工学チームを通して、地雷の撤去・破壊、その危険性の啓発、必要な形成外科手術・義肢・リハビリサービスの提供による被害者支援など、重要な取り組みを行っている。これらは国連開発計画、イエメンにおける地雷除去のためのサウジ・プロジェクト(Masam)、支援国・組織との提携のもとで行われている」

「フーシ派が設置した地雷の撤去に関して、サウジアラビア王国の兄弟たちがサルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)およびMasamプロジェクトを通してイエメンの政府と国民に提供してくれている支援に、この場を借りて深く感謝申し上げる。これはイエメンにおける彼らの建設的な役割の延長線上にあるものだ」

アル・エルヤニ情報相は、フーシ派が国民を危険に晒しているやり方を非難した。「強調したいのは、フーシ派は対人地雷、対戦車地雷、爆発装置を人の多い村や都市に過剰かつ無差別に設置することで(…)何百万人もの民間人の命を絶え間ない危険に晒しているということだ。それらはまた、国民生活を麻痺させ、国民のビジネス活動を完全に停止させ、彼らの人道的苦境を悪化させ、開発努力を妨げている。これらの問題の壊滅的な影響とリスクは、戦争が終わったとしても今後何十年も続くだろう」

元イエメン人権相のモハメド・アスカル氏は次のように語った。「これらの地雷は子供や女性などの最も弱い立場にある人々に対して最大の脅威をもたらす。地雷に関して問題なのは、戦争で荒廃したこの国の現在だけでなく未来や持続可能な開発にも重大な影響を与えるということだ。イエメン政府は対人地雷禁止条約に署名し、保有地雷の廃棄を開始していた。(それは)フーシ派がイランの技術とともにイエメンにやって来て地獄への門を開くまでのことだった」

元イエメン人権相のモハメド・アスカル氏。(提供写真)

「不幸にも、フーシ派はあらゆる種類・形態の地雷数百万個を広範囲に設置した。カモフラージュされた地雷、対人地雷、岩の形をした地雷、おもちゃに似せた地雷などだ。イエメンの地雷犠牲者の約30%は女性や子供だ。彼らは戦争の後に故郷の谷、村、家に戻ってきたところでこれらの地雷の犠牲になり、(その結果として手足の)切断を余儀なくされ、(現在は)非常に困難な人道状況の中で動くことができなくなっている。田舎や部族地域では、家から何キロも離れた学校に行けなくなり勉強できなくなった子供たちもいる」

アスカル氏はフーシ派に対し、この国がこれ以上「悲惨な状況」になることを防ぐよう求めた。また、これらの地雷が人命や生活に及ぼしている危険に対する意識を高めるためにもっと取り組む必要があるとしたうえで、犠牲者に医療支援を提供しているMasamプロジェクトを称賛した。

イエメンの政治活動家ウィッサム・バソウンダ氏は、女性と子供が最も苦しんでいるこの問題に取り組むことなしには経済的進展はほとんど成し遂げられないという見方に同調した。「地雷の問題は和平プランや持続可能な開発計画の障害であり続けており、世代を超えて残らないよう緊急かつ集中的に取り組まなければならない」

「3月8日の国際女性デーで世界の女性たちが自分たちの政治的・社会的・経済的成果を祝っている一方で、イエメンの女性たちはフーシ派の地雷だらけの環境で恐怖に満ちた悲惨な状況を生きている。彼女たちとその子供たちを待ち伏せしているこれらの地雷は、彼女たちの全体的な苦境に追い打ちをかけている」

イエメン正統政府の統計によると、いくつかの県でフーシ派がしかけている長年にわたる戦争の中で1800人以上の女性や少女たちが地雷の犠牲になっている。タイズのエグゼクティブ地雷対策センターによると、フーシ派の地雷で死傷した人の数は2017年から2023年2月までの間だけで1222人に上る。

イエメンの事情に詳しいジャーナリストのバドル・アル・カフタニ氏。(提供写真)

イエメンの事情に詳しいジャーナリストのバドル・アル・カフタニ氏も、これらの地雷がこの国の未来にまで残る脅威であり続けていることに同意し、犠牲者の多くが義肢の使用を余儀なくされていることを指摘した。「主な問題は、これらの地雷(の位置)が不明なことだ。Masamプロジェクトは地雷撤去において非常に重要な役割を果たしていると思う。注目すべきは、このプロジェクトが正確な統計基準に従っており、イエメン政府やイエメン・エグゼクティブ地雷対策センターと直接連絡を取ってそれらの数字を更新していることだ。非常に重要なプロセスであり、サウジのMasamプロジェクトは大きな称賛に値する」

アル・カフタニ氏はフーシ派に対し、イエメン政府、国連、その他の国際機関と協力してこの問題を解決するよう求めた。

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