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スピリチュアルで楽しく文化的なカサブランカのラマダンの夜

モロッコでは他のイスラム諸国と同様、タラーウィーの礼拝がイスラム教徒の間で非常に人気がある。これは、一人でも大勢でも、自宅でもモスクでもできる(AFP)
モロッコでは他のイスラム諸国と同様、タラーウィーの礼拝がイスラム教徒の間で非常に人気がある。これは、一人でも大勢でも、自宅でもモスクでもできる(AFP)
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07 Apr 2023 05:04:37 GMT9
07 Apr 2023 05:04:37 GMT9
  • 住民にとって日々の礼拝とタラーウィーの礼拝は守るべき大切なもの
  • アラブ・アンダルシア音楽のショーやヘリテージツアーなどのイベントが開催される

ハムザ・マクローウィ

カサブランカ:モロッコの首都カサブランカの人気地区Hay Sedriにはまったく人通りもなく、店は閉まり、静けさが漂っている。午後7時、この地区の住民は15時間以上の断食の後、イフタール(断食明けの最初の食事)をとっている。

サイード(28)は食事を終えたところで、断食明けのショックに体を慣らすため数分間横になった。まだ重要な儀式が残っているため、あまり食べていないのだ。

午後8時30分、サイードは幼なじみのメフディと建物の前で合流する。彼らは沐浴を済ませ、一日の最後の祈りであるイシャを行うためにモスクに向かうところだ。「ラマダン月の間、私たちは少なくともここ10年間ずっと毎晩同じ道を歩いてモスクに行き、礼拝とタラーウィーを行っています」と、サイードはフランス語でアラブニュースに語った。

「この聖なる月の間、私たちは神にできるだけ近づこうとします。ラマダンとは、新しい1ページを開き、より健康的な生活習慣を取り入れようとする機会でもあるのです」

ラマダン月の間、イシャの祈りに続いてタラーウィーの祈りが続く(義務ではないが強く推奨される)。これは聖なる月限定で行われる祈りで、イシャの祈りの動作(4回)に加えて8回の祈りが追加される。

多くの人は2回もしくは4回のみ行うが、サイードとメフディは8回すべてを行うよう努めている。「私たちはまだ若いし、祈りの後に何か重要な用事があるわけではないのでタラーウィー全体を行うほうがいいんです」とサイードは説明する。

モロッコでは他のイスラム諸国と同様、タラーウィーの礼拝はイスラム教徒の間で非常に人気がある。これは、一人でも大勢でも、自宅でもモスクでもできる。カサブランカでは、毎晩何千人もの礼拝者が訪れ、前庭にまで列を作るハッサン2世モスクのように、多くのモスクが人で溢れかえる。モスクの敷地内と前庭には10万人の参拝者を収容することができる。

カサブランカの聖なる月はスピリチュアルな雰囲気に包まれ、夜が長いのが特徴だ。夜の最後の食事を午前4時50分より前にとらなくてはならないため、多くの人は遅い時間まで寝ている。いったん寝てから朝早く起きて食事をする人もいれば、外に出て聖なる月の独特の雰囲気を楽しみたい人もいる。

ハナンにとって、ラマダンの夜は文化とも深く関係している。「ラマダン期間中は文化的イベントが目白押しです」。イベント運営会社で働くカサブランカ出身の25歳のハナンは、アラブニュースのインタビューにフランス語でそのようにコメントした。「私にとっては、ラマダンは文化への渇望を満たし、新しいことを経験する機会です」

最近では、アインディアブ(Corniche de Casablanca)のラウンジで、モロッコの文化遺産であるタラブ・アル・アンダルシア音楽(アラブ・アンダルシア音楽)を楽しむ夜間イベントが行われた。「その雰囲気は神秘的とも言えるほどで、こういったタイプの音楽は好きではなかったのですが、実際その場にいると心地よい渦に巻き込まれるようでした」

この聖なる月の間、カサブランカの人々にはさまざまな文化的活動の選択肢があるとハナンは説明する。聖なる音楽を楽しむ夕べや、コーランの朗読、神について語り合う夜などのほか、カサブランカ・メモリー協会が主催するヘリテージツアーもある。

深夜になり、店が閉まり始めると、多くのカサブランカっ子は経済の中心地の一つであるコーニッシュに向かう。そこで友人と会ったり、ビーチを散歩したり、食事をしたり、あるいは単にドライブしたりして夜の涼しい空気を満喫してから帰宅し、また断食の日々に備えるのだ。

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