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国連安保理、パレスチナにおける入植活動の停止をイスラエルに求める

国連安保理の四半期ごとの会合でパレスチナ情勢とイスラエルのパレスチナ自治区占領の状況に関する呼びかけが行われた(スクリーンショット/UNTV)
国連安保理の四半期ごとの会合でパレスチナ情勢とイスラエルのパレスチナ自治区占領の状況に関する呼びかけが行われた(スクリーンショット/UNTV)
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26 Apr 2023 05:04:23 GMT9
26 Apr 2023 05:04:23 GMT9
  • 国連安保理は四半期ごとに行われるパレスチナ問題の会議で、二国家解決を支持することを再確認した
  • パレスチナの外相は、国際社会がイスラエルに対する責任追及を拒否しているために、イスラエルは国際法を無視し続けていると述べた

アリ・ユーニス 

ニューヨーク:国連安全保障理事会は25日、イスラエルの占領と違法なユダヤ人入植地の建設停止を求めた。また、イスラエルとパレスチナの紛争を解決するため、二国家解決を支持すると繰り返し述べた。

この声明は、同理事会が四半期ごとに開く会議の中で、パレスチナ情勢とイスラエルによるパレスチナ自治区占領問題について討論している中で発せられた。議長を務めたのはロシアのセルゲイ・ラブロフ外相。議長は月ごとの交代制で、ロシアは今月の議長を務め、閣僚級の会合を招集した。

リヤード・マーリキー・パレスチナ外務・移民庁長官はまず、ナクバ(大破局)75周年について言及した。1948年のイスラエル建国に伴い、パレスチナ本土は破壊され、パレスチナのアラブ人の大多数が永久追放され、70万人以上が家を失い難民となった。その後1967年の六日戦争で、イスラエルはヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレムを占領した。

マーリキー氏はさらに、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムのパレスチナ人の土地を占領し続け、占領地でユダヤ人の入植地を違法に建設し、国際法違反を繰り返しているイスラエル当局に対し、より強く責任を追及するよう国際社会に呼びかけた。

また、国際社会は、イスラエルが国際法の原則を遵守しないこと、パレスチナ人を不当に扱うことを繰り返し非難しているが、「現地での決定的な行動」によってそうした行動や占領をやめさせる後押しはできていないとした。

イスラエルは「何の罰も受けず」このような行為を続けており、国際法や外交の規範を完全に無視し、また国際社会がイスラエルへの責任追及を拒否しているためにこのように振る舞っているという。

マーリキー外相は会合の中で「イスラエルがパレスチナ占領によって利益を得ている限り、代償を払うのは私たちで、併合とアパルトヘイトは私たちが押し付けられた唯一の現実となっています」と述べた。

「占領するのに高い代償がかかれば、やがて終わるでしょう」。

マーリキー外相のコメントに対し、イスラエルのギラド・エルダン国連大使は反応しなかった。代わりに、イスラエル独立記念日にあたる25日の会合延期を同理事会が拒否したため、安保理を「一方的だ」と非難した。同氏は戦争で亡くなったイスラエル軍の兵士の名前を読み上げてすぐに議場を退出した。

トル・ウェネスランド中東和平特別調整官は、イスラエルとパレスチナ両国は紛争をエスカレートさせる行為を控えるべきだと述べ、解決や占領終了の妨げとなる可能性のある挑発や扇動をやめるよう求めた。

また、イスラエル軍によるパレスチナ市民の殺害やパレスチナ人の強制退去について強調し、イスラエルに対し、国際法の原則を順守し、占領地エルサレムの現状を維持し、ヨルダンのハシェミット家が管理する同市内のイスラムの聖地を尊重するよう求めた。

ラブロフ外相は、ロシアは二国家解決を支持し、この地域のすべての国と協働し、中東の平和と安定をもたらすことに協力すると述べた。

また、違法な入植地建設、パレスチナ人の強制退去、パレスチナ人への不当逮捕などイスラエルによる「現地での一方的な措置」は同地域を不安定にする主な要因であると述べた。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、米国はイスラエルに継続的な支援を行うと表明し、「さらに状況を悪化させることのないように、すべての当事者は行動とレトリックを控えるべきだ」と呼びかけた。

また、エルサレムでのイスラム教徒への暴力事件を発端に、最近ガザ地区やレバノンからイスラエルに向けてロケット攻撃が行われたことを非難した。

トーマスグリーンフィールド氏は、米国が二国家解決を支持していると強調し、暴力を終わらせ、イスラエルとパレスチナの間で「信頼醸成措置」を講じるよう呼びかけた。

さらに、米国は、パレスチナ難民の保護と救済を目的とした国連機関「国連パレスチナ難民救済事業機関」を支持すると強調した。米国は同機関に何億ドルもの資金を提供しているが、まもなく財政難に直面し、パレスチナ難民は危険にさらされ、同地域を不安定にさせる可能性があると警告した。

フランス、エクアドル、ガーナ、UAEの理事会メンバーは、エルサレムで最近増えている暴力行為に懸念を表明し、「緊張の緩和」を求めた。

また、パレスチナの権利に対する支持を表明し、パレスチナの人々の苦しみを終わらせるよう呼びかけた。さらに、高まる緊張を緩和するためのエジプトとヨルダンの当局による取り組みを歓迎した。

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