



ハルツーム: スーダン国軍と準軍事組織の熾烈な戦闘が3週間目に入り、休戦協定が破られ、土曜日には対地攻撃を行う戦闘機が激しい対空砲火を浴びた。
「国が崩壊の瀬戸際にある時に権力争いを続けることは正当化出来ません」と、国連のアントニオ・グテーレス事務総長はアル・アラビーヤ放送に語った。
グテーレス事務総長は、アフリカ主導の調停の取り組みの支持にまわった。
「スーダンの平和のためのアフリカ主導の取り組みを支援するために全力を尽くすことを要請します」と、グテーレス事務総長は述べた。
スーダン保健省は、戦闘員を含む合計死亡者数は528人、負傷者数は4,500人と発表した。
人口約500万人の都市であるハルツームは、2人の将軍たちの熾烈な紛争の最前線に変容してしまった。
スーダン国軍のアブドゥルファッターフ・ブルハン司令官と即応支援部隊(RSF)として知られる強力な準軍事組織を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ将軍の2人である。
スーダン国内で何万人もの人々が待避を余儀なくされ、戦闘から逃れるために、隣国のチャドやエジプト、南スーダン、エチオピアへの過酷な行程を辿っている。
停戦協定違反
両将軍は何度も停戦に合意しているが、いずれの場合も遵守されていない。その間に、民間人の死亡者数は増加し、ハルツームは混乱した無法状態に陥っている。人口500万人のハルツームでは、多くの市民たちが食料も水も不足したまま停電の中で自宅に閉じこもっている。
直近では、米国やサウジアラビア、アフリカ連盟、国連の調停により、日曜日午前零時(GMT 22:00)に期限を迎える3日間の停戦が木曜日に合意に至った。
「近隣地区に鳴り響くジェット戦闘機と対空兵器の爆音でまた目を覚ますことになりました」と、ハルツーム南部の住人がAFPに語った。
首都ハルツームの双子都市であるオムドゥルマンでは国営放送本部の周囲で早朝から戦闘が継続しているとの情報もあった。
また、ハルツーム北部で青ナイル川を挟んでの機関銃による攻撃の応酬があっとという情報や、ハルツーム東部のブリで銃撃音が聞こえたとの情報がある。
戦闘が激化する中で、2021年のクーデターで権力を奪取し現在は対立する両将軍は、メディアを通して互いを非難し合っている。ブルハン将軍はRSFを「スーダンを破壊しようとする」民兵組織と罵り、ダガロ将軍はスーダン軍を率いるブルハン将軍を「裏切者」と呼んだ。
スーダン保健省は、戦闘員を含む合計死亡者数は528人、負傷者数は4,500人と発表した。
人口約500万人の都市であるハルツームは、スーダン軍の司令官であるアブドゥルファッターフ・ブルハン将軍と即応支援部隊(RSF)として知られる強力な準軍事組織を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ将軍のの熾烈な紛争の最前線に変容してしまった。
約75,000人が、ハルツームや青ナイル州、北コルドファン州、さらにはダルフール西部から待避したと、国連が発表した。
集団脱出
戦闘は、また、外国人や国際機関職員の集団脱出の引き金になった。
土曜日には、約1,900人の避難者たちを乗せたフェリーが、ポートスーダンから紅海を横断しサウジアラビアのジェッダの海軍基地に到着した。直近のサウジアラビアへの避難は海路だったのだ。
この避難者たちの中には65人のイラン人が含まれていた。
サウジアラビア政府は96ヶ国の4,880人の避難をこれまでに手配済みであると、サウジアラビア外務省は明らかにした。
幼少期からハルツームで暮らして来た28歳のイラン人のメルダッド・マレクザデ氏は、これほど戦争が激化するとは誰も予想しておらず自身の脱出も驚きだったと語った。
「私たちは国籍がイランなので、避難した時にはサウジアラビアに来ることになるとは思いもしませんでした」と、スーダンの首都で油性潤滑剤関連の事業を家族で営むマレクザデ氏は言った。
「幸い、サウジアラビアの人々は本当に私たちを助けてくれました。立場の違いは脇に置いて、力を貸してくれたのです。サウジアラビアの人たちのおかげで命拾いしました」と、マレクザデ氏は付け加えたとAFPは報じている。
土曜日に海路ジェッダに到着した人々には、イエメンからの避難者たちの第2陣が含まれていた。
「サウジアラビアは外国人たちの自国への待避を容易にするために必要な事すべてを提供できるように全力を挙げています」と、サウジアラビア外務省は述べた。
米国政府が編成した車列が、米国市民、現地スタッフ、同盟国の国民を乗せて、紅海を横断する海路による脱出ルートに加わるために、ポートスーダンに土曜日に到着したと米国務省が述べた。
また、1,900人弱の英国人が、土曜日出発の最終便を含む合計21の航空便で待避したと、英国外務省が発表した。
世界食糧計画は、今回の武力衝突により、既に全人口の3分の1が飢饉を防ぐために援助を必要としているスーダンで、さらに数百万人が飢餓に陥る懸念があると述べた。
戦闘場所近傍の病院の70%が使用不能となり、多くの病院が砲撃を受けたと医師組合が明らかにした。
西ダルフールでの「身の毛もよだつ」暴力衝突
西ダルフールのエルジェニーナ市では、今週、少なくとも96人が殺されたと国連が発表した。
「ダルフールでは恐ろしいことが起きています。社会が崩壊しています。複数の部族が武装しつつあります」と、グテーレス国連事務総長は述べた。
アブダッラー・ハムドゥーク元スーダン首相は、早期に停戦に至らなければ、今回の紛争が世界史上最悪レベルの内戦に発展し得ると警告した。
「スーダンが内戦に至ることがありませんように…もし、そうなったら、シリアやイエメン、リビアがささやかな悲劇にしか見えなくなるでしょう」と、ハムドゥーク元首相はナイロビで開かれたイベントで語った。
「それは世界にとって悪夢となります」
国境なき医師団(MSF)は、避難民キャンプを含めて、略奪や破壊、放火が蔓延しているとの報告が複数あり、MSFの支援を受けている病院の1つも略奪されたと述べた。
MSFのスーダン担当オペレーションの副責任者であるシルヴァン・ペロン氏は、今回の紛争によりMSFは西ダルフールでの活動をほぼすべて停止せざるを得なくなったと語った。
ダルフールでは、2003年に勃発した紛争で強硬派のオマール・アル・バシール大統領(当時)が主にアラブ系の牧畜部族から募兵した民兵組織「ジャンジャウィード」を用いて少数民族の反政府勢力を攻撃したことが依然として深い傷跡となっている。
国連の集計では、焦土作戦により少なくとも30万人が死亡し、250万人近くが待避したという。アル・バシール元大統領は、戦争犯罪、人道に対する罪、大量虐殺の罪で国際刑事裁判所から訴追されている。
ジャンジャウィードは、その後、2013年公式創設のRSFへと発展した。
ブルハンとダガロの両将軍は、2019年に大規模な抗議行動を受けてアル・バシール元大統領が失脚した後の民主制への移行を頓挫させた2021年のクーデターによって、権力を掌握した。
後に両将軍は不仲となり、最近ではRSFのスーダン正規軍への統合をめぐって対立するようになった。
封鎖中のガザ地区
パレスチナ人学生らが帰還し封鎖中のガザ地区とエジプト間の国境で抱擁を交わした。ガザ国境検問所は、「172人の学生たちがラファの国境検問所を通過して母国に到着しました」と発表した。
犠牲者数をモニターしているスーダン医師組合によると、スーダンの一般市民も銃撃戦に巻き込まれたことから、日曜日には民間人死亡者数が411人に跳ね上がったという。
首都ハルツームのいくつかの地区では、不安定ながらも停戦合意に達し戦闘の規模が縮小したため、商店が営業を再開し、日常生活が徐々に戻りつつあると住民からの情報がある。しかし、他の地区では、周囲で爆発音が鳴り響き、戦闘員が家屋を荒らしていると怯えた住民が伝えている。現在、紛争開始以来3週間が経過し、戦闘で2,023人の民間人が負傷したとスーダン医師組合は付け加えた。しかし、実際の犠牲者数ははるかに高いと考えられる。
AFP