
テルアビブ:パレスチナ保健省は、1日にイスラエル軍が占領下のヨルダン川西岸地区を急襲し、パレスチナ人の10代の若者を射殺したと発表した。昨年、容赦ない暴力が繰り返され、この地域を揺るがしたが、今回の出来事もそれに連なるものだ。
イスラエル軍は、過激派を根絶するためと称して、ほぼ毎晩のようにヨルダン川西岸地区の都市や町、村落を急襲しているが、今回の事案について直ちにコメントしなかった。今年に入ってから、イスラエル側の発砲によりパレスチナ人数十人が死亡し、同時期にパレスチナ人による襲撃でイスラエル人19人が亡くなっている。
パレスチナ保健省は、この10代の若者をジブリル・アル・ラーダ氏(17歳)と特定した。同省の発表によると、ヨルダン川西岸地区の都市エリコの近郊にあるアカバト・ジャブル難民キャンプでの戦闘で、他に3人が重傷を負った。イスラエル軍はたびたび同キャンプを急襲している。
昨年春にパレスチナ人による襲撃が頻発した後に、イスラエルは急襲作戦を開始した。これをきっかけに、ヨルダン川西岸地区では、イスラエルとパレスチナ人の間でこの数年来では非常に激しい戦闘が巻き起こった。イスラエルは、急襲作戦は将来の襲撃を阻止するためだと主張するが、イスラエル人に対する暴力は減っていないようだ。
イスラエルの主要人権団体ベツェレムによると、昨年2022年にヨルダン川西岸地区と東エルサレムで150人近くのパレスチナ人が殺害され、同地域で2004年来最多となる死者が出た。AP通信の集計では、今年に入ってから死傷者数は急増し、イスラエル側の発砲によりパレスチナ人98人が死亡し、うち過激派グループに属していたのは半数弱だった。
イスラエルによると、死亡者の大半は戦闘員だが、侵攻に抗議する若者や、なかには衝突に無関係な人もいる。
急襲作戦は、56年間続いてきたイスラエルの期限のない占領をさらに堅固にするものだと、パレスチナ人は見ている。
パレスチナ人は、待望の独立国家の領域としてヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレムを求めている。1967年の中東戦争でイスラエルはこれらの領土を占領した。
AP