
ダマスカス:シリア政府は、反政府勢力が支配する北西部のトルコ国境2か所の使用を3か月延長することに同意した。シリアと国連の高官が5月14日に発表した。この2か所は2月の大地震後に支援物資の配送のために開放された場所だ。
シリアのバッシャール・アサド大統領は、トルコ南部とシリア北部を襲った2月6日の地震の1週間後、イドリブ県に支援物資が届くよう、バブ・アルサラメとアルライの国境を3か月間開放することに同意していた。
国際連合によると、地震で5万人以上が亡くなり、うちシリアでは6,000人超が亡くなっている。また、数十万人の人々が避難民となっている。
国連の要請とそれに続く議論を受け、シリアのファイサル・メクダド外務相はシリア政府の決定を伝えた。国連が上記2か所の国境検問所をさらに3か月使用することを許可する内容だ。国連人道問題調整事務所の金子絵里広報官が公表した。
シリアのバッサム・サッバーグ国連大使は、この3か月の延長は「安定と全シリア人民の生活と人権状況」を強化するという同国の決意に基づくものだとツイートした。同氏はさらに、シリア全土の支援を必要とする人々に人道支援が届くようにする目的であると述べた。
シリア北西部のイドリブ県には約400万人が居住するが、多くは12年におよぶ内戦の間に退避してきた人たちだ。内戦では50万人近くが亡くなった。
国連のシリア危機担当副地域人道調整官デビッド・カーデン氏が今月初めにイドリブを訪問した際に述べたところでは、地震以降約2,000台のトラックがトルコから国境を超え、避難所、食糧、医薬品や諸サービスを提供している。
カーデン氏は、地震で家を失ったり破壊された人々は85万5千人におよぶとも述べた。
2014年には安全保障理事会が4か所の国境検問所からシリア北西部への支援配送を許可した。トルコ国境2か所、ヨルダン国境1か所、イラク国境1か所である。2020年1月に、シリアと親密な関係にあるロシアが拒否権行使をちらつかせ、トルコとの国境2か所のみとなった。同年7月には中国とロシアが拒否権を行使し、1か所に限定していた。
AP