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アラブニュース/YouGov世論調査 — ナクバから75年

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15 May 2023 12:05:47 GMT9
15 May 2023 12:05:47 GMT9

ジョナサン・ゴーナル

かろうじて半数を超えるパレスチナ人が、イスラエルとパレスチナの紛争の打開策として現在も2国家解決を支持している。大多数のパレスチナ人はファタハもハマスももはや自分たちの代表とは考えていない。そして4分の3が、現在のパレスチナ指導部ではイスラエルとの和平合意は不可能だと考えている。

ナクバから75年が経過するのを期にアラブニュースがYouGovに調査を依頼したところ、主に上記のような結果がもたらされた。

このオンライン調査は4月28日~5月11日に953人のパレスチナ人を対象に実施されたが、かろうじて半数が今でも2国家解決を信じていることが示された。2国家解決はパレスチナ側とイスラエル側とが1993年にオスロで合意したものだが、両陣営の過激派による反対や暴力によって実現しなかった。

全体の51%が支持している2国家解決は、年齢の高いパレスチナ人の間で支持率が高い。18~29歳では42%にとどまるのに対し、45歳以上は63%が支持している。

また、様々な選択肢の中で最良のものとみなされている。とは言うものの、5人に1人がパレスチナ・イスラエル共同の連邦国家の創設を支持している。

パレスチナ人が単体のイスラエル国家の市民になるという別の選択肢は13%が支持し、その割合は25~34歳では15%に上昇する。

調査では、パレスチナ指導部に対する信頼喪失の程度も明らかとなった。ハマスもファタハも自分たちの代表ではないと感じるパレスチナ人は63%に上った。

と同時に、パレスチナ指導部がイスラエルとの和平同意を成し遂げると信じている割合は4人に1人にとどまる。

「パレスチナ人は何年も前に指導部への信頼を失いました」。米国系パレスチナ人ジャーナリストで、書籍を執筆したりメディアのコンサルタントも務めるラムジー・バロウド氏はアラブニュースにそう語った。

「この信頼の欠如は、パレスチナ自治政府固有の腐敗に本質的に関連しています。しかしそれだけでなく、現在のパレスチナ指導部が、いわゆる和平プロセスに対するパレスチナ人の信頼を取り戻す可能性のある、意味のある政治的勝利を1つも得ることができなかったことにも関連しています」

現在の右派イスラエル政府の平和的な紛争解決に対する姿勢も同様に懐疑的に見られており、パレスチナ人の86%がベンヤミン・ネタニヤフ政権は和平合意の達成に真剣でないと考えている。

中国が最近、イランとサウジアラビア間の協議の仲介に成功したことを受け、中国がイスラエル・パレスチナ紛争の仲介役になる可能性があると考える回答者は80%に上った。

さらに、これまでの和平交渉の失敗の主な原因は、イスラエルによる継続的な威嚇と違法な入植にあると考えられている。次いで、イスラエル寄りの米国の姿勢や、アル・アクサ・モスクとエルサレムの地位を巡る争いの継続が挙げられている。

パレスチナ人のアブラハム合意に対する考え方は二極化しているようだ。52%が、米国主導のイニシアチブによってイスラエルがパレスチナ人に対してより攻撃的になったと回答したが、影響はないという意見も43%あった。

将来のパレスチナ独立国家の優先事項については、パレスチナ人の大多数が一致している。それは経済だ。40%以上の回答者が、経済開発をやるべきことのトップに挙げている。

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