パレスチナ人の半数以上がイスラエルとの和平に向けた2国家解決策を支持する一方で、4分の1近くがユダヤ国家の下で暮らすことをいとわないと答えたことが、アラブニュース-YouGovの特別調査によって明らかになった。
イスラエル軍が数十万人のパレスチナ人を故郷から追放した日である「ナクバ」の75周年に発表されたこの報告書によると、調査対象となったパレスチナ人の51%が、数十年にわたる紛争を終わらせるために2国家解決策を希望している。
また、13%がイスラエルに統合され、イスラエルの指導者の下に身を置き、イスラエル国民になることを望んでいることがわかった。
また、11パーセントは、パレスチナ自治政府を統治国家とせず、イスラエル国籍も取得せずに、イスラエルの占領下に留まることを選択した。
「パレスチナ人は絶望の状況にあります。ナクバから75年、ほとんどのパレスチナ人は、政治プロセスが何か意味のある解決策をもたらすとは全く信じなくなっています」と、ロンドンに拠点を置くアラブ・英国理解評議会のディレクター、クリス・ドイル氏はアラブニュースに語った。
このデータによると、パレスチナ人の3分の2近く(64%)がエルサレムについて妥協する気がないことを表明している。しかし、エルサレムを東(パレスチナの首都)と西(イスラエルの首都)に分けるという選択肢は、最古参グループの35%が支持しており、最も人気のある代替案となっている。
1993年のオスロ合意以来、パレスチナ・イスラエル紛争と占領を終わらせる手段として、2国家解決策が提案されてきた。
ドイル氏はこう語った。「2国家解決とは何を意味するのか、もはや明らかではありません。エルサレムを首都とする、1967年の線引きに基づく独立したパレスチナ主権国家でしょうか?」
アンケートによると、最も好ましくない選択肢は、ガザをエジプトに、ヨルダン川西岸をヨルダンに統合し、市民は敬意を払ってそれぞれの国のパスポートを取得するというものだった。
公正な調停という点では、トランプ政権がアメリカ大使館をエルサレムに移転し、複数の米政府高官がエルサレムをイスラエルの首都とみなすと繰り返した後、パレスチナ人は米国をほとんど信用できなくなった。
YouGovの調査によると、米国を依然として公正な調停者とみなす人は23%しかいない一方で、そうでない人は59%に上る。一方、ロシアは、最も公平な存在として25%と最も高いスコアを出しているが、僅差でEUが22%、中国が18%、日本が11%と、その後に続く。
国家が成立した場合、パレスチナ国民は政府が経済発展と雇用創出を優先することを期待しており、41%がこれを優先事項として挙げている。
ヨルダン川西岸地区とガザ地区では、外国からの援助に頼った生活が続いている。過去2年間の経済成長率は4%であったが、世界銀行はパレスチナ経済の低迷を予想し、2023年の状況を厳しいとしている。
国内治安と国境管理を挙げたのは30%、保健医療は保健分野の水準が低いにもかかわらず、わずか5%で最も重要視されていない。
2022年、ユニセフはパレスチナの女性と子どもたちに救命サービスを提供し、維持するために3,900万ドルの人道資金を必要とした。
保健サービスは、引き続き要求に追いつかず混乱した状態にある。ガザ地区やヨルダン川西岸に住む推定150万人(70万人の子どもを含む)は、一次医療が十分には受けられない。さらに、家庭への不十分な水の供給、劣悪な衛生環境、限られた公共サービスにより、136万人のパレスチナ人が疾病リスクにさらされている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックだけでも、5,622人の市民の命が奪われた。
パレスチナ住民の目から見て、和平構想がこれまで失敗してきた理由は、31%がイスラエルの威嚇や併合したパレスチナの土地に入植地を建設したためと考え、20%がパレスチナ当局の過ちとリーダーシップの欠如と考え、8%がパレスチナの武装民兵による対話妨害に原因があるとしている。