• 互いの政策に対する厳しい批判によって、ヨルダン川西岸地区とガザ地区におけるファタハとハマスの深い溝が浮き彫りになった。
• アッバース大統領率いるファタハはハマスに矛先を向け、財政危機にもかかわらず指導者がカタールの5つ星ホテルに滞在していることを問題視した。

モハメッド・ナジブ

ラマッラー：24日に行われたビル・ツァイト大学学生会の年次選挙で、ハマスの支持を受けるイスラムブロックがファタハの支持を受けるライバルを破り、勝利した。

投票率は76.7％で、ハマス支持のブロックは得票数4,481票で25議席を獲得したが、ファタハ支持のブロックは3,539票で、20議席にとどまった。

左派の学生ブロックは942票を得て、6議席を獲得した。

23日の討論では互いの政策に対する厳しい批判が行われ、ヨルダン川西岸地区とガザ地区におけるファタハとハマスの深い溝が浮き彫りになった。

また、学生サービスについても集中的な議論が交わされた。

ビル・ツァイト大学の選挙はパレスチナの世論変化のバロメーターとなっており、ファタハとハマスが激しく争い、財政危機にもかかわらず、選挙キャンペーンに何万ドルもの資金がつぎ込まれている。

ハマスは、イスラエルとの安全保障上の連携、汚職、マフムード・アッバース大統領の不満足な業績についてファタハを批判した。

アッバース大統領率いるファタハは、財政危機にもかかわらずハマスの指導者がカタールの5つ星ホテルに滞在していることを問題視し、ガザ地区の大学での学生会選挙を解禁するようライバルに呼びかけた。

近年、イスラムブロックが学生会を牽引しているが、ファタハブロックは、ライバルブロックは汚職や縁故主義、イスラエルとの安全保障上の連携など、パレスチナ自治政府の過ちの代償を払っていると考えている。

一方、ナブルスのアンナジャ国立大学で5月16日に行われた選挙では、ハマスが勝利したものの、40対38で、2議席の僅差だった。

ビル・ツァイト大学のガッサン・アル・カティブ副学長はアラブニュースに対し、他の世論調査がない場合、学生会の投票結果は、「選挙の信頼性、完全性、民主性」のゆえに、パレスチナ世論の傾向を示す信頼できる指標になると述べた。

リベラルな大学として、「当大学が目指すのは、学生たちが民主的な生活、多元主義、他者の見解を受け入れることを学ぶことです。ですから、この選挙は民主的競争の最良の実践的訓練と考えられています」と述べた。

また、アル・カティブ副学長は、今年のディベートは例年よりも激しく、学生たちのスキルと知性を際立たせるものだったと付け加えた。

「競争の激しいビル・ツァイト大学にとって、この日は欠かせない日です。政治思想上の自由を目にすることのできる唯一の場所なのです」と同氏は述べた。

ビル・ツァイトの学生は、投票に影響するような仕事の依頼を一切受けずに、民主的な雰囲気の中で、非常に誠実に選挙に参加している、と専門家は述べている。

ファタハとハマスは、この選挙戦に多大の努力を傾けることで、自らの政治的言説を強化することもできる。

ナブルスの人権活動家であるアメール・ハムダン氏はアラブニュースに対し、パレスチナの大学における学生ブロック間の競争は校内にとどまるため、パレスチナの各派閥が国民からどの程度の支持を得ているかを示す、妥当な指標になると述べた。

ほとんどの学生は大学の選挙で、家族の政治的スタンスに沿って投票する、と同氏は述べた。

ハムダン氏によると、ビル・ツァイト大学のハマスのイスラムブロックは、アンナジャ大学で行われた1週間前の選挙でファタハを支持するライバルが犯した過ちの恩恵を受けたという。

ファタハの活動家が同キャンパス前で発砲し、おそらくパレスチナ自治政府の治安部隊のサポートを受けて、ソーシャルメディア上でハマスを支持する候補者のイメージダウンを画策したのだ。

ビル・ツァイト大学は、1973年に非政府系の公立大学として設立された。ヨルダン川西岸地区とガザ地区で最も歴史が長く、評判の良いパレスチナの大学のひとつとされ、経済、経営の分野に著名な政治指導者を輩出している。

同大学はヨルダン川西岸地区で唯一、パレスチナ自治政府からの制限を受けずに、ハマスが政治活動を推進することが認められている場所である。

ビル・ツァイト大学は、様々な分野の36の学士課程、13の修士課程、3つの博士課程を提供しており、450人の教師が在籍している。

ヨルダン川西岸地区の学生と、イスラエルに住む数百人のパレスチナ人がここで学んでいる。

パレスチナの指導者のほとんどがビル・ツァイト大学の卒業生である。