アル・ムッカラー:27日、192人のイエメン人避難者を乗せたイエメニア航空の航空機がサヌア空港に着陸した。イエメン政府が、戦火のスーダンに閉じ込められている1200人以上のイエメン人を避難させるための緊急航空便を再開したのだ。
在スーダン・イエメン大使館によると、新生児14人を含む192人を乗せたこの航空機は、ポートスーダンを27日午前8時38分に出発してフーシ派支配下のサヌアに向かった。同日のその後、ほぼ同じ人数の乗客を乗せた別の航空機が政府支配下のアデンに向かう予定となっていた。
スーダン国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間で戦闘が発生した4月15日以降、学生を含むイエメン人数千人がスーダンに閉じ込められている。
それらのイエメン人のうち、最初の一団はサウジアラビア海軍によって退避させられジェッダへと移送され、2泊の宿泊を無料で提供された後、バスでイエメンへと運ばれた。
イエメン外務省は、スーダンに閉じ込められているイエメン人1250人を26日から29日にかけてイエメニアの航空機7機でイエメンへと輸送するとしたうえで、既に750人が航空機でスーダンを出国したこと、また800人がポートスーダンからサウジアラビアの船で同国へと運ばれたことを明らかにした。
イエメン政府は、同政府が航空便の費用を全て負担するとともに、避難者のパスポートの延長、子供の出生証明書の取得、大学・高校の証明書の認定などを支援すると述べた。
イエメン人避難者たちはポートスーダン空港から出発する際、感激の中でソーシャルメディアに写真を投稿した。
ファウジー・ジャムームさんは27日にサヌアへの航空機に乗り込む際、自身のフェイスブックに、「ポートスーダンに1ヶ月と1日滞在して疲れ果てた末に、やっとスーダンからサヌア空港へと退避することができます」と投稿した。
別の動きもあった。イエメン政府関係者と人権活動家らが、サヌアで26日に発生したフーシ派によるイエメンの宗教的少数派バハイ教徒の集会への襲撃を非難するとともに、同派に対し彼らを即時解放し宗教的少数派や反対派への迫害をやめるよう求めたのだ。
イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相はツイートの中で、フーシ派がサヌアで開かれたバハイ教徒の年次集会を襲撃して女性5人を含む17人を拘束するとともにバハイ教徒の家を強制捜査したことを明らかにした。
同大臣は次のように述べた。「この悪質な犯罪からはっきり言えるのは、フーシ派がイランからの指示のもとで、バハイ教徒をはじめとする宗教的少数派に対してエスカレーション、攻撃、組織的なテロを、そして信仰を理由に信者への迫害を続けているということです。」
また、フーシ派は2014年後半から、バハイ教徒を恣意的に拉致し、拷問し、彼らの家を荒らし、事務所やその他の財産を差し押さえるとともに、人々の彼らへの反対感情を煽ってきたと付け加えた。
ネット上に出回ったある動画には、武装して覆面をしたフーシ派メンバーらが集会を襲撃し、女性たちが悲鳴を上げる様子が映っている。
ジュネーヴを拠点とする「SAM人権自由機構」も、フーシ派によるバハイ教徒集団への「野蛮かつ残忍な」襲撃や、イエメンの同派支配下のサヌアなどにおけるその他の人権侵害を非難した。
同組織は次のように述べた。「バハイ教徒の集会への襲撃を直近の例とするフーシ派による日常的な人権侵害は、同派支配地域における人権状況悪化の縮図に過ぎない」