• アラブ首長国連邦の代表は「架け橋を築き、合意のための余地を探る」ことを誓った
• 控えている署名式では、世界各地の紛争激化における気候変動の重大性が強調されることになる

ニューヨーク：アラブ首長国連邦（UAE）は、国連安全保障理事会が直面する数多くの重要な問題について合意やコンセンサスのための余地を作り出す上で、建設的な役割を務め続けると、同国の国連大使は、理事会の議長国に就任した際に誓った。理事会は、UAEの2年間の任期で2回目であり、15か国より構成される。

同国大使のラナ・ヌサイベ氏が述べたところでは、理事会で繰り返し議題として取り上げられる、シリア、イエメン、パレスチナ、リビア、イラク、スーダンなどに関する問題とは別に、UAEは「気候変動と平和と安全保障」に関する閣僚級の署名式を主催する。主催者はマリヤム・アル・ムヘイリ気候変動・環境相が務める予定だ。

「気候変動は、我々の時代を特徴づける課題です」とヌサイべ氏は、ニューヨークの国連本部で記者会見で述べた。

「その規模、複雑さ、そして求められる対応は、まさに前代未聞です。(そして）気候変動が国際の平和と安全を維持する（安全保障理事会の）能力に与える影響を我々ははっきりと見てきました」と同氏は述べた。

「安全保障理事会の議題の多くは、この憂慮すべき力学に言及しており、それが今回の理事会の中心的な焦点となります」

気候変動と国際平和と安全保障に存在するつながりを前に、理事会には「入念に調整された役割」が求められており、UAEは「この役割が将来的にどのようになり得るかについて共通の認識を形成する」ことを目指していると、ヌサイべ氏は述べた。

ドバイでは11月に、2023年の国連気候変動会議（COP28）が開催される。1992年以来、COPでは、各国政府から代表が集まり、世界の気温上昇を抑え、気候変動の影響を緩和すべく政策への合意に向けて議論が重ねられている。

UAEは、中東の政府としては初めて、2050年までに炭素排出量をゼロにすることを誓っている。また、2016年に中東で初めてパリ協定に署名した国でもあり、国際的にクリーンエネルギーに500億ドルを投資しており、2030年までに500億ドルを追加投資することを約束している。

「COP28を我が国で開催することは大変光栄なことです」とヌサイべ氏は話した。「というのも、気候変動は中東諸国を含む世界すべての国にとって存亡に関わる問題であるだけでなく、気候変動や再生可能エネルギーの分野における我が国の長年の経験を以って貢献することができると考えているからです」

別の閣僚級会議では、「平和の推進と維持における人間的友愛の価値」を取り上げる。出席者には、アントニオ・グテーレス国連事務総長とアルアズハル大導師アーメド・エル・タイエブ氏が含まれる。

ヌサイべ氏は、このイベントは「これ以上ないほどタイムリー」としている。

同氏は次のとおりに述べた。「今は、世界で1945年以来最多の武力紛争が行われている時であり、全世界にわたって不寛容、ヘイトスピーチ、人種差別、過激主義が憂慮すべき増加を見せており、これらはすべて確実に暴力を助長し、コミュニティの分断を招いています」

続いて「これらは国際平和と安全に対する脅威であり、一国や一地域に限定されるものではありません」と付け加えた。

安保理については「ヘイトスピーチ、人種差別、その他の形態の過激主義に対し、これを紛争の発生、激化、再発を促す脅威の拡大要因として見なす取り組みが進められてきたが、それが常に一貫していたわけではありません」としている。

「そこで、我々はこの問題を提起する機会だと考えています」

ヌサイベ氏は、世界は「平和、寛容、人間的友愛へのコミットメントを新たにすることが政治指導者の急務であり、彼らは、これらの共有価値を中心とした全社会的アプローチによって行動を強化すべきです」と述べた。

UAEは議長国として他にも、6月8日に、「国連とアラブ諸国連盟の協力の強化」に関するブリーフィングを主催する。ハリファ・シャヒーン外務副大臣が議長を務め、グテーレス氏のほか、アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務総長も出席する。ブリーフィングはアブルゲイト事務総長によって行われる。

UAEが最後に議長国を務めた2022年3月、安保理は「国連とアラブ連盟の強い協力関係」を歓迎し、パートナーシップを強固なものにすることを誓った。

また、理事会メンバーは、「紛争の予防と解決、平和構築における女性の完全かつ平等で有意義な参加、そして若者の積極的な貢献」の重要性を強調した。

ヌサイベ氏は、今月の発言で、UAEはこれらのコミットメントを足がかりに、中東地域の平和と安定の強化・維持に向けて、女性と若者の役割の増進、テロとの闘い、寛容の文化の醸成などを通じて行動すると述べた。