
バグダッド:イラク当局者によると、ダーイシュのテロリスト50人とテロリストの家族である168人が6月3日、シリアからイラクに本国送還されたという。
匿名を条件に取材に応じた情報筋によると、イラク当局は「シリア民主軍(SDF)からダーイシュのメンバー50人を受け入れた」
SDFはシリア北東部におけるクルド人の事実上の軍隊であり、2019年にシリアでの最後のダーイシュ占領地域からダーイシュ戦闘員を追い出した戦いを主導した。
同当局者は、この50人は「捜査対象となり、イラクの司法に直面することになる」と付け加えた。
紛争監視機関「シリア人権監視団」によると、彼らはシリア北東部の都市ハサカで拘束されたという。
さらに、ダーイシュメンバーのイラク人親族168人がシリアのアルホル難民キャンプから送還され、イラク北部の中心都市モスルの南にあるアルジャダーキャンプに移送された後、そこで精神科治療を受けることになると同イラク当局者は付け加えた。
「彼らの部族の指導者から、彼らが報復を受けないという確約が得られれば、彼らは故郷に帰されることになります」
クルド人が支配するシリア北東部のアルホル難民キャンプには、テロ容疑者の家族を含む約5万人が住んでいる。
その中には、住む場所を追われたシリア人やイラク難民のほか、約60カ国から来た1万人以上の外国人も含まれる。
3月に国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、アルホル難民キャンプに収容されている外国人の速やかな本国送還を求めた。
グテーレス氏はイラク訪問中の声明で、アルホル難民キャンプの人口の半数近くが12歳未満で、住民は「権利を剥奪され、弱い立場にあり、疎外されている」と述べた。
「現在の世界に存在する最悪の難民キャンプはアルホルであると言うことに何の疑いもありません。人間にとって考えられる限り最悪の環境があり、何年もそこに取り残されている人々に多大な苦痛を与えています」とグテーレス氏は語った。
2021年5月以来、数百家族がシリアのアルホル難民キャンプからイラクのアルジャダーに移送されており、その多くはその後安全な場所に移っている。
ダーイシュは、2014年から2017年にかけてイラクの3分の1を支配した超過激派グループであり、そのダーイシュに加わった戦闘員の親族のイラク送還は、反対運動を巻き起こしている。
イラク当局は2021年12月、アルジャダーを閉鎖する計画を発表した。
しかし、これまでほとんど進展はなく、避難民の故郷への移転は困難であることが判明し、地元住民の反対を招いている。
AFP