Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • アメリカ特使がアラブの怒りに直面する中、ガザでは激しい戦闘

アメリカ特使がアラブの怒りに直面する中、ガザでは激しい戦闘

2023年11月4日、カリフォルニア州サンフランシスコで行われた「パレスチナ連帯」の行進に参加する人々。(AFP)
2023年11月4日、カリフォルニア州サンフランシスコで行われた「パレスチナ連帯」の行進に参加する人々。(AFP)
Short Url:
06 Nov 2023 01:11:30 GMT9
06 Nov 2023 01:11:30 GMT9

パレスチナ自治区、ガザ地区: アメリカのブリンケン国務長官がアラブ諸国の外相との会談で怒りの高まりに直面するなか、イスラエルは、ハマス鎮圧のための戦争が5週目に入った11月4日も、戦いの手を緩める気配を見せなかった。

アメリカのブリンケン国務長官は、イスラエルのタカ派であるネタニヤフ首相がこのアイデアをあっさりとはねつけた翌日、絶望的な状況下にいる民間人が確実に支援を得られるよう、ガザでの戦闘における「人道的一時停戦」に対するアメリカの支持を再確認した。

アメリカのジョー・バイデン大統領は、いわゆる「人道的一時停戦」の実現について進展があったと述べている。

アンマンでの記者会見で、民間人を守り、支援物資の配送を早めることについて、ブリンケン国務長官は「アメリカは、人道的一時停戦によって、これらすべての努力が促進されると信じている」と述べた。

外国人がガザ地区を脱出し、支援物資を搬入するための唯一のパイプ役を担っているエジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣は、「即時かつ包括的な停戦」を求めた。

ハマス側は4日遅く、イスラエルが負傷したパレスチナ人をラファに到着させ、国境を越えてエジプトで治療を受けられるようにするまで、二重国籍者や外国人のガザからの退避を中断すると発表した。

イスラエル軍参謀総長のHerzi Halevi中将は4日、ガザ地区最大の都市の包囲を完了した後、ガザ内の部隊を訪問した。

ヨアヴ・ガラント国防相は、イスラエル軍はガザ内部で「激しく」戦っており、「(ガザ市の)南と北から行動し、人口密集地域に入っている」と述べた。

イスラエルは、ハマスが10月7日にガザ境界付近のコミュニティと軍事前哨基地を攻撃し、民間人を中心に1,400人以上を殺害した残虐な行為に対する懲罰として、同組織の殲滅を誓っている。

ハマスが運営するガザの保健省によれば、イスラエル軍の攻撃と地上作戦の激化によって、9,480人以上のガザ市民が死亡し、そのほとんどは女性と子どもだという。

同省は、退去した数千人が避難していた国連の学校をイスラエルが攻撃し、少なくとも12人が殺害されたと述べた。

「爆弾が私たちの上に落ちてきて、人々は木っ端微塵になりました。私たちは停戦を望んでいます。お願いです。私たちは疲れ果てています」と、同学校に避難しているパレスチナ人女性、Sajda Maaroufさんは語った。

戦闘は世界中で反イスラエルの抗議を引き起こし、地域の主要国からの政治的反対を招いており、影響力のあるトルコは、4日にイスラエルから大使を召還した。

パレスチナと結びつきの強いトルコは、先月イスラエルとハマスの戦争が始まるまでは、イスラエルとの引き裂かれた関係の修復を行なっていた。

しかし、戦闘がエスカレートし、パレスチナの民間人の死者が急増するにつれ、イスラエルとそれを支持する西側(特にアメリカ)双方に対するトルコ政府の態度は硬化していった。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は記者団に対し、ガザでの民間人の死者数の増加について、ネタニヤフ首相個人に責任があると述べた。

「ネタニヤフ首相は、もはや対話できる相手ではない。我々は彼を見限った」とトルコのメディアはエルドアン首相の発言を引用した。

イスラエル外務省のLior Haiat報道官は、この動きは「テロ組織であるハマスに味方するトルコ大統領の新たな一歩」だと述べた。

ハマス側はこの動きを歓迎し、「包囲されたガザ地区の人々に人道的・医療的支援が届くよう、バイデン大統領とアメリカ政権に圧力をかける」ようトルコ政府に求めた。

アメリカ国務省によれば、ブリンケン国務長官は5日に2日間のトルコ訪問を開始する予定だという。4日にはイスタンブールで数千人が同国務長官の訪問に反対するデモを行った。

イスラエル軍はガザ市を「テロ組織ハマスの中心地」と表現しているが、アメリカのデービッド・サッターフィールド援助特使は、35万人から40万人の民間人が市内と隣接地域に残っていると述べた。

イスラエルの地上部隊は、一晩かけてガザ南部のトンネルの地図を作成し、爆発物の罠を取り除くために「標的を絞った急襲」を開始した。これまでにガザ南部への攻撃を行ったことはあるが、軍隊を派遣することはほとんどなかったと同軍は述べた。

「同部隊は、トンネルの立坑から出てくるテロリストの一団に遭遇した。これに対し、同部隊はテロリストに向けて砲弾を発射し、殺害した」と同軍は発表した。

イスラエルによれば、10月7日以来、パレスチナ自治区全域で12,000の標的を攻撃しており、これは最近では最も激しい爆撃作戦のひとつである。

3日にブリンケン国務長官がイスラエルを訪問した際の重要な焦点は、ネタニヤフ首相に 「人道的一時停戦」を実施するよう説得することだった。

ネタニヤフ首相はこの提案をはねつけ、ハマスが10月7日の攻撃で拉致した240人以上のイスラエル人と外国人の人質を解放するまで「一時停戦」には同意しないと述べた。

イスラエル国内で、10月7日の攻撃に対する政府の準備不足と人質への対応についてのネタニヤフ首相への圧力が高まる中、4日には数千人が抗議行動を行った。

パレスチナ赤新月社とハマスが運営する保健省によると、ガザ市では3日にイスラエル軍が同地域最大の病院であるアル・シファ病院のそばで救急車隊を攻撃し、15人が死亡した。

イスラエル軍は、「ハマスのテロリストの一団」が使用していた救急車を標的にし、中にいた人々を「無力化」したと発表した。

AFPの記者は、血まみれのパレスチナ赤新月社の車両のそばで複数の遺体を目撃した。

赤新月社によると、エジプトと国境を接するラファ国境に向かう予定であった5台の車列が、複数回攻撃された。

そのうちの1台は、多数の金属片による負傷を受けた35歳の女性を輸送していた。

ホワイトハウスの高官は、ハマスは、アメリカが仲介したエジプト国境開通協定を利用して幹部を脱出させようとしたと述べた。

「それはエジプトにとっても、アメリカにとっても、イスラエルにとっても受け入れがたいことであった」と同高官は語った。

ブリンケン国務長官は4日、危機の中で重要な役割を果たすヨルダン、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の各国外相とアンマンで会談した。

ヨルダンのアブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王陛下は、ブリンケン国務長官との会談で、「パレスチナとイスラエルの紛争を終結させる唯一の方法は、二国家解決に基づく公正で包括的な和平を達成するための政治的地平に向けて努力することである」と強調した。

アメリカ政権もイスラエルと同様、パレスチナ国家を支持すると述べているが、ネタニヤフ首相の強硬右派政権は断固反対している。

アンマンでの会談は、戦争による民間人の死者数に対するアラブの怒りが高まる中で行われた。

1994年にエジプトに次いで2番目にイスラエルと和平を結んだヨルダンは1日、2019年以来初めてイスラエルから大使を呼び戻した。

AFP

特に人気
オススメ

return to top