
バグダッド:数年間の外交的孤立を抜け出しつつあるシリアから、外相が長年の同盟国イラクに到着し首相と面会した。
ファイサル・ミクダード氏の訪問は、アラブ連盟がシリアの加盟資格停止状態を終わらせることに同意してから数週間後のことで、長年続いた内戦の後でバッシャール・アサド大統領体制は22の国・機構からなる連盟に復帰することになった。
イラクは多数のアラブ諸国が関係を断っていても変わらずシリア政府の同盟国であり続け、特にダーイシュの組織との戦闘があったシリア内戦期間中にも、関係を断つことなく緊密な協力関係を維持していた。
ミクダード氏はバグダッドに3日夜到着したと国営イラク通信社は報じた。
ミクダード氏は、イラクの首相、アブドゥルラティーフ・ラシード大統領、フアード・フセイン外相と会うことを、イラク外務省のアフメド・アル・サハフ報道官がイラク通信社に伝えた。
「この訪問は、イラク政府とシリア政府の相互関係と、シリアのアラブ連盟復帰におけるイラクの役割に焦点を合わせたものです」とサハフ氏は述べた。
アラブ連盟は5月7日に投票を行い、後に全面戦争へと発展した、アサド氏の民主化を求める抗議に対する2011年以来の暴力的鎮圧を受けて資格停止としていたシリアを連盟に復帰させることとした。
当時イラクはシリアの資格停止につながる投票を棄権していた。
2国は600km(370マイル)にわたる通水性が良い砂漠の国境に接しており、ダーイシュが敗北してから数年が経ってもなお、引き続き戦闘行為が発生している。
ダーイシュは2014年に両国の広い地域を占領し、「カリフ国」であると宣言したが、2017年にはイラクで、2019年にはシリアで敗北した。
また、ドラッグの不正取引が近年急速に広まり、アンフェタミン系ドラッグ「カプタゴン」が地域で急増し、その多くが2国間の国境を越えて移動している。
イラクの国境警備員は3月に、シリアとの国境において300万錠以上を押収した。
イラク政府とシリア政府は、安全保障協力に加えて、両国が危機的な不足に直面している水問題などのその他の重大な問題において引き続き協力している。
近隣国でのダム建設や気候変動の影響により、両国では劇的に水流が減少し、経済的困難が続く中、農業は崩壊し生活手段は脅かされている。
AFP