Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • IAEAはイランでの活動を「絶対に政治化しない」とグロッシー氏

IAEAはイランでの活動を「絶対に政治化しない」とグロッシー氏

ウィーンで開催されているIAEA理事会で記者会見に臨むラファエル・グロッシーIAEA事務局長。(ロイター)
ウィーンで開催されているIAEA理事会で記者会見に臨むラファエル・グロッシーIAEA事務局長。(ロイター)
Short Url:
06 Jun 2023 04:06:41 GMT9
06 Jun 2023 04:06:41 GMT9

ウィーン:国際原子力機関(IAEA)はイランでの活動を「絶対に政治化しない」と、5日、国連で核監視を担う同機関のトップが述べた。イランの圧力に屈したとのイスラエル首相の非難に対して、IAEAは「きわめて公正だが断固とした態度で臨んでいる」と主張した形だ。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の批判は、先週のIAEAの機密報告書を受けてのものだ。同報告書では、テヘランから南東に約525キロ離れたアバデ市近郊のマリバンで発見された人工ウランの痕跡について、IAEAの調査員が調査を打ち切ったとされている。

アナリストは繰り返し、マリバンをイランの秘密の軍事核開発計画と結び付け、2000年代初めにイランがこの地で高性能爆薬実験を実施したと非難していた。

「イランは国際原子力機関(IAEA)に嘘をつき続けている。IAEAがイランの圧力に屈したことは、その経歴に黒い染みを残す」と、4日、ネタニヤフ氏はテレビで放送された閣僚たちへの発言の中で述べた。

「IAEAが政治的な組織に変質すれば、イランでの監視活動も、イランの核活動に関する報告書も無意味になる」

5日、この批判について尋ねられたIAEAのラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は、IAEAの活動は「中立、公平、技術的」であると述べた。

ウィーンで開催されているIAEA理事会定期会合の初日、グロッシー氏は記者団に対し、「我々は常に物事をありのままに語る」と述べた。

グロッシー氏は、IAEA加盟国の政府首脳と「絶対に論争しない」と付け加えた。「我々は絶対に政治化しない。我々には基準があり、常にそれを適用する」

「政治化は、そのように見る者の目の中に存在する」

イスラエルはイランを最大の敵とみなしており、ネタニヤフ氏は繰り返し、イランの核兵器開発を容認しないと述べている。 

同氏は、国際外交には真剣な軍事オプションが伴うべきであると語っており、必要であればイスラエルは単独でイランを攻撃することを辞さないとほのめかしている。

ネタニヤフ氏の批判に先立ち、イスラエル外務省のリオール・ハイアト報道官は2日の声明で、マリバンの現場に核物質が存在することについてのイランの説明は「信頼できないし、技術的にあり得ない」と述べている。

だが、グロッシー氏は、IAEAは保障措置の基準を「絶対に」引き下げないと主張した。

「我々は厳格で、技術的に公平で、私が好んで語るように、きわめて公正だが断固とした態度で臨んでいる」

グロッシー氏は、核開発計画をより適切に監視するためのイランの協力は「非常にスピードが遅い」と警告を発し、一部のカメラやその他の機器は再設置されたが、「さらに多くのこと」を行う必要があると述べた。

アナリストは繰り返しマリバンを、IAEAや欧米その他の諸国が2003年に放棄されたとするイランの秘密の軍事核開発計画と結び付けていた。 

また、2000年代初めにイランがこの地で高性能爆薬実験を実施したと非難していた。

先週のIAEAの報告書には、1960年代から1970年代にかけて、当時のシャーであるモハンマド・レザー・パフラヴィー(パーレビ国王)の統治下で「別の加盟国」がこの地域で鉱山を経営していたと記されている。

イランは、このウランの痕跡は現場で鉱山労働者が使用した「実験器具・装置」に由来する可能性があると主張していた。 

IAEAはこの回答について、「実際にあり得る説明」としている。

IAEAはイラン国内の他の2カ所、バラミンとトゥルクザバドで発見された人工ウラン粒子の由来と現在の保管場所についての説明を依然要求している。

イランは長らく核兵器開発を否定しており、原子力開発計画は完全に平和目的であると主張し続けている。

AP/AFP

topics
特に人気
オススメ

return to top