
ベイルート:15日、デモ参加者らは預金へのアクセスができないことに不満を抱き、ベイルートの東約8キロの郊外で複数の銀行のファサードを破壊し、タイヤに火を放った。
攻撃の対象となったのは山岳レバノン県シン・エル・フィルにあるアウディ銀行、ベイルート銀行、ビブロス銀行の支店。同様の攻撃を恐れ、ベイルートのいくつかの銀行に兵士と国内治安部隊が配置された。
他のグループはベイルート中心部にあるアル・アミンモスクの前で抗議活動を行い、資金の侵害や司法の腐敗を非難する横断幕を掲げた。
デモ参加者らは資金の返還を要求し、中央銀行のリアド・サラメ総裁、銀行協会、その他汚職に関与した当局者の責任追及を求めた。
イッサム・チャラフェディン暫定難民担当相も抗議に参加した。同氏はヒズボラやシリア政権の同盟者であるタラル・アルスラン氏率いるレバノン民主党の代表を務めている。
この抗議活動は、レバノン議会が12回目の大統領選出に失敗したわずか24時間後に行われた。
ある政治オブザーバーは、名前を伏せた上で、キリスト教徒が多いこの地域の路上での抗議には政治的メッセージがあると述べた。
「銀行支店前での抗議活動は、ヒズボラの大統領候補スレイマン・フランギエ氏の就任を拒否する野党勢力に圧力をかける政治的メッセージを送ることが目的だ」と同氏は述べた。
同様の抗議は毎回の投票後に起こっていたと同氏は付け加えた。
レバノン預金者協会のハッサン・モグニエ会長はアラブニュースに次のように語った。「私たちは政治的動機があると非難されるのを避けるために街頭に出るのを控えました」
「今日、預金者の別の集まりに属するこのグループが、なぜ街頭に出たのかわかりません。レバノンの預金者の数は200万人を超えていますが、彼らの人数は50~60人ほどです」
「したがって、特に中央銀行から凍結された預金に関する新たな指令が出されておらず、状況が同じということを考慮すると、特定の時期に人々を動員している政党に疑問が生じます」
レバノンは現在、政治勢力が先の「3月8日勢力」と「3月14日勢力」に似た2つの陣営に身を置き、激しい二極化に陥っている。
利害が対立するキリスト教系の政治勢力が結集し、シーア派コンビとしても知られるヒズボラ/アマル党の候補に対抗して、ジハード・アズール氏という一人の候補を支持している。
様々な政党が多数派と少数派の慣例に基づいて争っている。
ビラル・アブドゥラ議員はアラブニュースに次のように語った。「投票で起こったことは、「3月8日勢力」と「3月14日勢力」の再編よりも危険な方向へ向かったのです。それは宗派的な側面を帯びました。必要なのは、方向性を変え、議員間の真剣な対話に戻ることです」
「投票の翌日は、誰が誰に投票し、誰が誰を裏切ったかを分析することに終始しました。投票結果は、政治勢力が予想していたものと矛盾していました」
「今後は大統領の空白が続く中、ただ時間をつぶすことになるでしょう」
米国国務省は、大統領を選出できなかったことに失望を表明した。
「我々は、議会のメンバーがさらなる投票を妨げるため、定足数を不足させるために議場を離れたことを懸念している」と同省は述べた。
「レバノンの指導者やエリートたちは、国民よりも自分たちの利益や野心を優先することをやめるべきだと我々は考える」
19日には議会が開かれる予定だが、大統領を選出するものではなく、立法会議となる。
アブドゥラ氏は次のように述べた。「この措置は、必要から立法化するという枠組みの中で行われるものです。議会は補助金とともに公務員の給与を支払うため、2023年予算を投じる法案を可決する必要があります。暫定政府はこの件を承認することができないので」
財務省は法律の発行を見込んで、「軍人には3か月分の給与に相当する一時援助金を5月分として、退役軍人と文民には6か月分の給与に相当する一時援助金を5月と6月分として支給する」と発表した。「援助金は金曜日から行政機関の職員に振り込まれる」とのこと。
国家が賃金を支払えないことで、この1週間、公共部門の労働者と軍人の間にパニックが発生した。