ベイルート:パレスチナ難民のための国連機関の代表は20日、資金の圧迫により何百万もの人々が基本的なサービスを受けられなくなる可能性があると警告した。
UNRWAは、イスラエルが併合した東エルサレム、ヨルダン、レバノン、シリアなどのパレスチナ地域で登録された約600万人のパレスチナ人に対し保健、衛生、教育、社会支援などのサービスを提供している。
これは、国際社会がより多くの支援を提供できない場合に大幅に削減される可能性に関してUNRWAが発した度重なる警告の最新のものだ。
1月には、2023年の資金調達に16億ドルを要請したが、支援者はその額の約半分しか確約していない。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラッザリーニ事務局長は20日、同機関が「今から年末まで活動を継続するために」3億ドルを要請していると述べた。
「加盟国からこれ以上の確約がなければ、我々は(秋から)壁にぶつかるだろう」と同氏はベイルートで行った記者会見で語った。
同機関は、教育・社会的セーフティネットなどの「中心的活動」に2億ドル、イスラエルが封鎖したガザ地区での食糧支援に7,500万ドル、シリア、レバノン、ヨルダンの難民への現金援助に約2,000万ドルを必要としている、と述べた。
UNRWAの「一国の政府のような」サービスにおいて、「適切な代替手段がない限り、空白が生じるリスクがある」と同氏は語った。
「ひとたび転換点に達すると、それを逆転させるのは非常に困難になるだろう」
ラザリーニ氏によると、UNRWAは長年にわたって慢性的な予算不足に直面しており、同機関は「約10年にわたって危機的な状況にある」という。
同氏によると、特に3年間にわたる経済崩壊により機能不全に陥っているレバノンにいる難民は深刻な打撃を受けている。
ラザリーニ氏によると、同機関がゴミ収集業者の求人広告を14件出した際、大学の学位を持つ多くの候補者を含む「3万7,000件の応募があった」という。
UNRWAはこれまで、グローバル危機、インフレ、世界的なサプライチェーンの混乱のせいでパレスチナ人の貧困と失業が急増しており、同機関のニーズが激増していると警告してきた。
「この地域にいる3万人の従業員への給与を払えなくなる時期が来ることを危惧している」とラザリーニ氏は付け加えた。
「遅かれ早かれ、我々のサービスを提供する能力は終わりを迎える」と同氏は警告した。
AFP