エルサレム:ヨルダン川西岸地区の村のパレスチナ人住民らによると、数百人のイスラエル人入植者がコミュニティへ侵入し、数十の家や車に火をつけた。
21日の攻撃は、銃を持った2人組のパレスチナ人がヨルダン川西岸地区の入植地の外でイスラエル人4名を殺害した翌日に行われた。
Turmus Ayyaの住民らによると、入植者らは町の主要道路で暴れ回ったという。
目撃者らは、イスラエル軍が町に入り、入植者は引き上げていたと述べた。
イスラエル軍は21日にヨルダン川西岸地区一帯に追加部隊を配備した。また、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエル人4名が死亡したパレスチナ人による前日の銃撃に対する最初の対応として、新たな入植者用住居1,000戸の建設計画を発表した。
イスラエルの入植地建設の発表により、ヨルダン川西岸地区で死者を出す戦闘が続いた2日間の後、さらに緊張が激化することが懸念された。パレスチナの人々と国際社会は、パレスチナ人が将来の国家の国土として求めている占領地への入植地建設に反対している。
ネタニヤフ氏は、銃を持った2人組のパレスチナ人がガソリンスタンドの外で発砲した21日の致命的な攻撃の現場であるエリに住居を建設すると述べた。同氏の極右政権では入植者のリーダーおよび支持者が多数派を占めている。
「テロに対する我々の返答は、激しく攻撃することであり、我々の国土を築くことだ」と、ネタニヤフ氏は述べた。
銃撃が行われたのは、民兵の拠点ジェニンにおけるイスラエル部隊との1日続いた戦闘でパレスチナ人7名が死亡した翌日の事だった。激化する暴力は、イスラエル政府にとって試練となっており、ヨルダン川西岸地区における広範な軍事活動を求める声が高まっている。
イスラエルのメディアは殺害された4名は、ハレル・マソード氏(21)、オフェル・ファイェルマン氏(64)、エリシャ・アンテマン氏(18)、ナフマン・シュムエル・モードフ氏(17)だと伝えた。イスラエルの民間人が犯人の1人を現場で殺害し、逃走したもう1人をイスラエル部隊が追跡して殺害した。
軍は、ヨルダン川西岸地区で部隊を増強していると発表した。また、21日の朝に、部隊がパレスチナ人の村Urif で、攻撃に関連して容疑者3名を拘束し、取り壊される可能性が高い銃撃者2名の自宅の場所を特定したと発表した。
イスラエルは他の人々を抑止することが目的だとする政策の一環として、パレスチナ人攻撃者の自宅を取り壊しているが、批評家らは、このやり方は集団的懲罰にあたるとしている。
ハマスはこの攻撃について公式に犯行声明を出してはいないが、現場で民間人に殺害されたモハンナド・ファレフ氏(26)と、逃走中に軍によって殺害されたハーレド・サバーハ氏(24)の銃撃者2名はハマスのメンバーだとしている。
20日の攻撃に続いて、イスラエル人入植者らが近隣の村々でパレスチナ人の財産を攻撃し、甚大な物的損害を与えた。イスラエル人入植者の攻撃により、少なくとも5名のパレスチナ人が負傷したと、イスラエルの軍用ラジオが伝えた。
20日の銃撃に先立って、前日に北部のジェニン難民キャンプでパレスチナ人民兵とイスラエル部隊の大規模な銃撃戦があった。この戦闘により、パレスチナ人7名が死亡し、90名以上が負傷した。21日に15歳のサディール・ナグニエフ氏が銃撃戦の際の負傷により死亡したことで、この襲撃による死者数は7名となったと、パレスチナの保健当局が発表した。
この銃撃戦により、イスラエル兵8名も負傷した。
AP