



ラマッラー:パレスチナ側は、木曜日、ジェニン難民キャンプとそのインフラへのイスラエルの攻撃がもたらした被害額の算出を開始した。
占領下のヨルダン川西岸地区で最近20年間近くでは最も苛烈なものとなったイスラエルによる今回の軍事作戦は、破壊された街路と燃え尽きた自動車を残し、アラブ世界全体に怒りの炎を巻き起こした。
パレスチナ人の住民らは、自宅から出たり自宅近傍の避難所から帰宅する際に、広い範囲に及ぶ破壊の様子を目の当りにした。
イスラエルの攻撃はジェニン難民キャンプのインフラを破壊し、民間人12人を殺害し、100人を負傷させた。
パレスチナのムハンマド・ジヤラ公共事業・住宅相は、再建過程の予定表を設定すると述べた。
道路といったインフラは、最大でも3ヶ月間と短期間で修復が可能だとジヤラ公共事業・住宅相は語った。
建物の修復には、より長い工期が必要で9ヶ月間程度かかるかもしれないと、同相は語った。
ジェニン市とジェニン難民キャンプの被害には、4棟の建物の全壊が含まれ、その再建費用は150万米ドルに上るとジヤラ公共事業・住宅相は語った。
中、大規模な損傷は受けたものの倒壊には至っていない建物は25棟に上り、これらの修復費用は200万米ドルと見込まれる。
部分的に損壊した住宅の戸数は250戸に達しており、修復費用は250万米ドルとなる。
損傷を受けた商業施設や行政サービス施設は150に上り、修復費用は500万米ドルを要すると、ジヤラ公共事業・住宅相は述べた。
ジヤラ公共事業・住宅相は、専門家による委員会が被害の評価を行い、被害状況の全体像を示す報告書を首相に提出したと言明した。
再建・修復過程は数段階に分けられているとジヤラ公共事業・住宅相は語った。
パレスチナのマジディ・アル・サレハ地方自治相は、ジェニン難民キャンプの初期損傷の規模は数百万新シェケルと推定されると語った。
ジェニンにおけるファタハ運動の指導者であるシャミ・アルシャミ氏は、UAEのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド大統領が自国UAEの当局にジェニン難民キャンプのあらゆるニーズに対応するよう指示したと述べた。
シャミ・アルシャミ氏は、UAEがジェニン難民キャンプの修復・再建に1,500万米ドルを拠出すると約束したと語った。
この資金は、パレスチナ難民を支援する国連機関であるUNRWAに供与され、損傷を受けた住居や商業施設の修復・再建とUNRWAのサービス提供のために使われることになるという。
ザーイドUAE大統領が難民キャンプの被害の評価と復旧費用の推計を要請したのだと、シャミ・アルシャミ氏は付け加えた。
パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相が同国自治政府の各当局と各機関にジェニン難民キャンプの救援と再建に必要となる予算を提供するよう指示したと、同自治政府のイブラヒム・メルヘム報道官は述べた。
自治政府は複雑な財政危機に直面しているものの、再建の取り組みは計画されたとメルヘム報道官はアラブニュースに述べた。
ヘブロン自治体労働者組合の代表者を務めるラミー・アルジュナイディ氏は、イスラエルの侵攻によってジェニンが受けた破壊の規模は甚大だと述べた。
「道路は完全に破壊され、いくつかの建物は倒壊寸前です。そして瓦礫が街路を覆い、移動もままならない状態です」
パレスチナの経済学者であるサミール・フレイレ氏は、ジェニン難民キャンプには異なるタイプのインフラを構築する必要があると語った。
「イスラエル軍が難民キャンプに侵攻する際必ず起こる民間人のキャンプ外への強制退避をもう目にしなくても済むように、イスラエル軍の爆撃から避難するための市民用シェルターも建設に含めるべきです」
フレイレ氏は、UNRWAとパレスチナ自治政府の両者が、「非常に困難な財務状況から眼を逸らしている」時に、ジェニン難民キャンプの修復・再建に要する財政的負荷と費用に言い及んでいた。
アラブ・アメリカン大学のナセル・アブドゥル・カリム経済学教授は、ジェニン県自体がイスラエルの軍事行動による悪影響を受けたため、ジェニン難民キャンプには直接的、間接的な経済的損害が発生しているとアラブニュースに語った。
ヨルダン川西岸地区の各都市で、ジェニンとジェニン難民キャンプの人々に救援や支援物資を提供しようと民間のキャンペーンが開始されている。
このキャンペーンのラマッラーでの取りまとめ役のハナディ・アルバルグーティ氏は、「ジェニン難民キャンプにいる同胞たち」を支援する取り組みについて語った。
アルバルグーティ氏は、このキャンペーンは大きな反響を呼んだと語った。
イスラエルによる軍事行動の初日、2台のトラックがジェニン難民キャンプに到着し、被害を受けた家族にすべての小包が配られた。
水曜日、食料品や補給物資、衣服、毛布、医薬品、現金を満載したもう1台のトラックが寄付された。
同キャンペーンのナブルスでの取りまとめ役のバクル・アブド・アルハク氏は、このキャンペーンは、難民キャンプ内からの退避の情景や一般の家族への攻撃、救援の要請への反応なのだと語った。
アルハク氏は、57台のトラックやバス、自動車が物資を運搬したと述べた。バスの内3台は、医療用品を積んでおり、他の車両は食料やミネラルウォーター、子供用の物資を積んでいたという。
「このキャンペーンは、パレスチナの地でのジェニンとナブルスの間の団結と結束を反映しています」と、取りまとめ役のアルハク氏は語った。
「2年前、の侵攻や攻撃の中で、ジェニンはナブルスとの結束を示してくれた最初の都市の1つでした。そして、今回は、ナブルスが恩返しを行い、侵略に対して意思表示をする番です」と、アルハク氏は述べた。
「ジェニンは孤立していません。援助を提供するナブルスがすぐ傍についています」と、アルハク氏は言った。
米国のホワイトハウスは、一方、同盟国のイスラエルに、ジェニンの民間インフラの再建を要請した。