
シリアのバタボ:シリア最後の反政府勢力の飛び地に住むシリア人は水曜日、国連安全保障理事会が同地域への支援提供メカニズムの更新に失敗し、重要な人道支援が危うくなったことを受け、警戒感を表明した。
国連は主に、隣国トルコを経由し、バブ・アル・ハワ検問所を通じてシリア北西部に救援物資を届けているが、この越境支援の決議は月曜日に失効した。
ロシアは火曜日、ニューヨークの国連本部で行われた投票で、越境支援を9カ月延長する決議案に拒否権を行使し、その後ロシアが出した6カ月延長の決議案を採択するのに十分な票を集めることができなかった。
要塞化された拠点イドリブのバタボの町の近くにある荒涼とした避難民キャンプから、ガイス・アル・シャール(43歳)さんは、政治的な争いと、援助物資の供給が中断されれば自分の家族にも深刻な影響が及ぶことに失望を表明した。
国連の援助がなければ、「特に子供がいる場合、誰もこの状況を乗り越えることはできません」と、5年前にダマスカスの東グータ地区から避難してきた5児の父親であるシャールさんは語った。
「たとえ簡単な支援であっても、それは私たちの支えになります」とシャールさんは話した。シリアの紛争で、これまでに50万人以上が死亡し、何百万人もの人々が避難を余儀なくされ、国のインフラや産業が打撃を受けている。
国連安全保障理事会の加盟国15カ国は、2014年の採択以来、シリア政府の許可なしにシリア北西部に食料、水、医薬品をトラックで運ぶことを可能にしていた越境支援の決議を延長するための妥協点を見つけるために、何日も努力していた。
シリア政府は定期的に、援助物資の輸送は自国の主権を侵害するものだと非難しており、ロシアは何年もの間、この越境支援決議を骨抜きにしてきた。
ロシアはシリア政府の主要な同盟国であり、2015年以降のシリアへの介入は、シリア政権に有利な方向に流れを変えるのに役立った。
国連によると、シリア北西部では400万人以上が困窮しており、国連とそのパートナーはそこで毎月270万人に援助を提供している。
AFP