
リヤド:イスラム協力機構(OIC)とムスリム世界連盟、そしてエジプトにあるイスラム教最高権威機関アル・アズハルは21日、スウェーデンでのコーラン冒涜を揃って非難した。
OICは、20日にスウェーデンの首都ストックホルムで聖典コーランが燃やされた事件を非難するアラブ諸国の輪に加わり、これは冒涜行為だと述べた。
OICは声明の中で次のように述べた。「OICのヒセイン・ブラヒーム・ターハ事務総長は、ストックホルムのイラク大使館前で行われた、聖典コーランを冒涜する新たな挑発行為を最も強い言葉で非難する」
イスラム教徒が多数を占める国々では数千人が街頭に繰り出し、20日の行為に抗議するデモを行っている。コーランを燃やした男は、自分は言論の自由を推進していると主張したが、スウェーデン国民を含む多くの人から非難されている。
OICの声明は、スウェーデン当局がコーラン焼却への許可を与え続けていることにターハ事務総長は深く失望していると述べた。
また、OIC執行委員会が7月2日の臨時会合で発表した最終コミュニケに言及した。このコミュニケは、このような挑発行為は「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第19条および20条の精神に反するものであり、宗教的憎悪・不寛容の扇動を禁じている表現の自由の権利のもとでは正当化され得ないものであるとしていた。
さらに、国連人権理事会(UNHRC)が7月12日に採択した「差別・敵意・暴力を扇動する宗教的憎悪への対抗」に関する決議の内容にも言及した。
ターハ事務総長は国際法遵守の必要性を強調するとともに、スウェーデン当局に対し、過激主義的な集団や個人に抗議活動の許可を与えるのをやめるよう求めた。
ムスリム世界連盟もコーラン冒涜を非難し、繰り返されている行為はイスラム教徒の感情を挑発するものだとした。
同連盟は21日に出した声明の中で次のように述べた。「これらの行為は、神聖なものを尊重すること、そして神聖なものに対する人々の感情を挑発する行為はいかなる口実のもとでも控えることを求めている、文明的・合理的な自由の概念を損なうものである」
エジプトにあるイスラム教最高権威機関アル・アズハルもコーラン焼却を非難するとともに、世界中のイスラム教徒に対しスウェーデン製品の不買運動を呼びかけた。
同機関は次のようにツイートした。「 #アル・アズハル はスウェーデンで続くコーラン冒涜を強く非難する。これはスウェーデンの汚点だ」
「スウェーデンは自らの行動を通して、自国が人種差別主義に最も近く、宗教や人々の尊重から最も遠い社会であることを証明した。アル・アズハルは世界の全ての自由人に対し、神の書物であるコーランを支持するためにスウェーデン製品の不買運動を続けるよう呼びかける」
サウジアラビアは20日、「一部の過激主義者に聖典コーランの焼却・冒涜を行うことを認める公式許可を与えるという無責任な行動をスウェーデン当局が繰り返していること」を非難した。
サウジ外務省は、今回の事件は「世界中にいる無数のイスラム教徒の感情を組織的に挑発する行為」であるとしたうえで、スウェーデン大使館臨時代理大使に抗議文を送り、スウェーデン政府に対し「全ての宗教の教えや国際法・国際規範に違反しているこれらの恥ずべき行為」をやめさせるための措置を直ちに取るよう求める意向を明らかにした。
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、「スウェーデンでのコーラン焼却を非難する国連決議」を歓迎するとツイートして、UNHRCの決議を称賛した。
また、「反抗的な国々での例が示すように、イスラム嫌悪に対する措置が取られるたびに、言論の自由という仮面の裏に隠れて悪質な行為を行っている者たちの間で憎悪が燃え上がっている」のは残念なことだと述べた。