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縮小する予算:国連機関、ヨルダンでのシリア難民援助の今後に警鐘

ヨルダンの首都アンマンの北80km(50マイル)のザータリ難民キャンプで遊ぶシリア人の子供たち。2021年2月15日。(AFP / 資料写真)
ヨルダンの首都アンマンの北80km(50マイル)のザータリ難民キャンプで遊ぶシリア人の子供たち。2021年2月15日。(AFP / 資料写真)
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23 Jul 2023 01:07:30 GMT9
23 Jul 2023 01:07:30 GMT9
  • 現在の資金不足が最近10年以上にわたって積み上げられてきた素晴らしい成果を台無しにしてしまっていると、UNHCRヨルダン代表が述べた
  • 「成功事例を継続させ続けるためには、確固とした協調的な行動が必要」と、援助機関関係者は強調する

レイド・オマリ

アンマン:UNHCRは、縮小中の予算に十分な資金追加が行われなければ、ヨルダンに退避中の難民に「深刻な影響」が及ぶとの警告を発した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、他の機関がヨルダンの難民キャンプにおける保健サービスや食料支援を縮小する計画を発表した事を受けて、最近、「即時」支援の呼びかけを発表した。

ヨルダン国営のアル・マムラカTV局は、UNHCRが実際に受領出来ているのは、2023年に必要とする資金の32%すなわち年間予算3億9,011万ドルの内の1億2,570万ドルのみであるというUNHCRの報告書に言及した。

この68%の赤字を踏まえ、UNHCRヨルダン代表のドミニク・バルチュ氏は、「人道的危機、そして、難民と難民を受け入れている地域社会への深刻な影響」について警告を発した。

バルチュ氏は、「現在の資金不足が最近10年以上にわたって積み上げられてきた素晴らしい成果を台無しにしています」と付け加えた。

現在、状況が人道的危機へと後退し難民と難民を受け入れている地域社会への深刻な影響が発生し得る切迫した危険が発生しています。

UNHCRヨルダン代表、ドミニク・バルチュ

ヨルダンが難民を自国の医療や教育システムに包含する能力が限界を迎える懸念が高まっていると、バルチュ氏は語った。

「長年維持されてきた支援によってシリア難民は労働市場への参入を果たしました」と、バルチュ氏は述べた。

「現在、状況が人道的危機へと後退し難民と難民を受け入れている地域社会への深刻な影響が発生し得る切迫した危険が発生しています」

バルチュ氏は、ヨルダンのこれまでの難民支援の取り組みを賞賛した。

ヨルダンは、UNHCRによれば、2021年には過去最高の62,000件の労働許可をシリア人に対して発行した。

これは、自国からの退避を余儀なくされたシリア人に教育と合法的雇用への道を開くための取り組みである「ヨルダン・コンパクト」に基づき、国際社会が資金提供と貿易円滑化を推進した結果である。

「ヨルダンは多くのことを達成してきました。そして、ドナー諸国は、何が危険にさらされているのかを認識しなければなりません」と、バルチュ氏は付け加えた。

バルチュ氏は、「ヨルダンでの成功事例を継続させ続けるためには、確固とした協調的な行動を…」と呼びかけた。

援助の不足により難民の脆弱性が深刻化していると、バルチュ氏は指摘した。

「家賃の支払いが出来なくなって自宅からの立ち退きを強いられる難民の家族の数は2022年12月から2023年2月の間に66パーセント増加しました」と、バルチュ氏は付け加えた。

バルチュ代表は、ヨルダンにおける難民の経済状況を改善する「緊急行動」を取らなければヨーロッパに難民が再び押し寄せることになると警告した。

「援助の欠如のもう一つの影響は、ヨーロッパへ向かう非正規ルートを難民が使用せざるを得ない状況を発生させてしまうことです。UNHCRは、ヨルダン出国後に搾取や虐待、死のリスクにさらされ得る難民たちの保護について懸念しています」と、バルチュ氏は述べた。

「最近発生したギリシャ沖での難破は、将来の展望を持てない人々は絶望的な選択を強いられるのだという事をはっきりと示しています」

世界食糧計画は、最近、ヨルダンの難民キャンプの難民に対する月毎の食料支援額を約32米ドルから21米ドルに削減すると発表した。

UNHCRは、医療サービスを提供する非政府組織のいくつかがヨルダンのザータリ、アズラックの2つの難民キャンプから引き上げ、残された施設では医療不足とその質の低下が深刻化していると発表した。

ヨルダンは、約130万人のシリア人に避難所を提供し、内約67万人はUNHCRの正式な登録を受けた難民であると公表している。これは、ヨルダンがレバノンに次いで1人当たり世界第2位のシリア難民受け入れ国であることを意味している。

UNHCRによると、トルコは360万人のシリア難民を受け入れており、一方レバノンの受け入れ人数は約100万人であるという。

ヨルダンには、中東最大のザータリ難民キャンプとアズラック難民キャンプがある。しかし、ヨルダン国内のシリア人のほとんどは市街地や都市中心部に居住し、数種の特定の産業に就労している。

ヨルダンがシリア難民の自主的な帰国に向けた取り組みを推進している一方、最近のUNHCRの調査によると、帰国希望の難民は0.8%に留まっている。

このUHCRの調査では、ヨルダン国内のシリア難民の約97%が、治安上の懸念やシリアに住居や基本的な生活設備が無いといった経済的懸念により、今後12ヶ月以内に帰国する意思が無いことが明らかとなった。

ヨルダンは、約1,000人のシリア難民の自発的帰国の促進のために、シリア政府や関連国連機関との調整を開始したと発表した。

この決定は、サウジアラビアやエジプト、イラク、ヨルダンの外相によるアンマンでの歴史上の節目となる会合の後、5月1日に発表された。この会合には、シリアのファイサル・メクダド外相も出席した。

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