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イランの核による挑戦がイスラエルの不安をかき立てている

10 Jul 2020
2020年7月2日、イランのイスファハンで、火災による被害の影響を示すナタンズ核施設(ロイター)
2020年7月2日、イランのイスファハンで、火災による被害の影響を示すナタンズ核施設(ロイター)
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イスラエルの指導者らの目から見ると、イランが核保有国になれば、彼らの国の存続を脅かす脅威になる。ナフタリ・べネット元国防相は、2017年に警告したとき、直接的にこう言った。「イランの核武装化がイスラエル国にとって最大の、存続を脅かす脅威であることは間違いない」

核保有国となったイランとイスラエルとの間で戦争が起きると仮定すれば、イスラエルは面積が比較的小さいため、受ける被害ははるかに深刻なものになるだろう。イランの国土面積が約160万平方キロメートルであるのに対し、イスラエルはわずか約2万2000平方キロメートル。つまり、イランはイスラエルより70倍以上大きい。ベネット氏は「イランへの攻撃は、イランがイスラエルにする(であろう)攻撃と同じように国を破壊することはないだろう」と認めた。

イランの指導者らは実際、イスラエルを破壊する、と繰り返し明言している。例えば、イスラム革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官は、「我々の戦略は、世界の政治地図からイスラエルを消すことだ。そして、イスラエルがしている悪行を考えると、イスラエルは自らそれに近づいているようだ」と述べ、イラン政府の計画を極めて明確にしている。加えて、イスラエルを破壊する方法に関する本を出版したと言われている最高指導者のアリ・ハメネイ師は2018年に、「シオニスト政権は、そう遠くない将来、滅びるだろう」と、イスラエルを非難するツイートをしている。

イランの指導者らが最終的に発言を実行に移すかどうかにかかわらず、イスラエルは、ライバルが核保有国になることを強く懸念している。イスラエルの目から見ると、国際社会は、イランが核兵器を入手するのを阻止するために十分手を尽くしていない。ロシア、中国、ドイツ、フランス、英国が、イラン核合意の別名でも知られる包括的共同行動計画(JCPOA)をいまだに支持しているからだ。

イスラエル当局はこの核合意に、2015年の策定以来、強く反対してきた。それは、イランの核開発計画を恒久的に停止し、この地域で核軍備競争が起こらないようにし、核武装したイランが、覇権主義的な野心のために与えるかもしれない戦略的脅威を取り除くことを主要目的にしていた。しかし、西欧列強は、自分たちの当初の要求に関して妥協し、イランの核開発計画を一定の年数の間、制限する合意を受け入れた。イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は当時、外交問題評議会というシンクタンクで次のように述べている。「何年にもわたる仕組みを確立しよう。10年ではなく、15年でもない―しかし、私はそれより少ない年数でやっていくつもりだ」。このようにしてサンセット条項はでき、イスラエルは激怒した。

サンセット条項により、イラン政権は結局、望むレベルまでウラン濃縮を再開し、好きなだけ多くの最新式遠心分離機を回転させ、原子炉を完全に稼動させ、新しい重水炉を建設し、好きなだけ多くの原子炉用燃料を生産し、今以上のウラン濃縮能力を無制限に維持することができるようになる。

欧州列強だけでなく、核合意の継続を決めたロシアと中国も、イランが最近JCPOAに違反したことに目をつむっているようだ。国際原子力機関(IAEA)が先月行った報告によると、イランは核合意の規定の全てに違反し、IAEAの査察官が一部の施設を監視することを許可せず、申告していない核施設や核活動に関する質問への回答を拒否している。

一方、イランが核保有国になるのを阻止するために米国が軍事行動を取ることをイスラエルが望んでいる可能性は高いが、米政府や米国民の間では、中東で新たな国との直接的な軍事衝突が起きるのを望む声はほとんどない。

国際社会がイランの核合意違反に対処することに消極的になり、イランが核保有国に少しずつ近づくにつれ、イスラエルには、イランに対抗する選択肢がなくなりつある。イラン政権はすでに、必要になれば核爆弾を製造するのに十分な、精製するための濃縮ウランを保有している。

イスラエルの目から見ると、国際社会は、イランが核兵器を入手するのを阻止するために十分手を尽くしてない。

マジッド・ラフィザデ博士

イスラエルの指導者らは、イランが核兵器を入手するのを阻止しようと必死になっており、自分たちの手で問題に対処しようとしているようだ。クウェートのアル・ジャリダ紙は先週、イスラエルが行ったサイバー攻撃によって、イランのナタンズ核施設で火災と爆発が起きたと報じた。同紙は、「これは、貯蔵圧力タンクを制御しているコンピューター・ネットワークに対する電子攻撃である可能性が高い」と書いている。

イランの核による挑戦をめぐって、イランとイスラエルの間の緊張が高まることで、より多くの人々を巻き込む戦争へと発展する可能性がある。大規模な軍事衝突を回避するために、国際社会は、イランの指導者らに核合意違反についての説明責任を課するための行動を直ちに取り、イランが核保有国にならないことを地域諸国に保証すべきだ。

  • マジッド・ラフィザデ博士は、ハーバード大学で教育を受けたイラン系アメリカ人の政治学者。Twitter:@Dr_Rafizadeh
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