
カイロ:2023年7月30日日曜、ヨルダン川西岸地区でイスラエル、パレスチナ武装勢力の間で暴力が激化する中、パレスチナ諸派がエジプトで和解に向け会合を行った。
主要派閥のハマスとファタハは2007年以降、対立が続いている。度重なる和解の試みは失敗に終わっており、1日限りの会合への期待は低い。パレスチナ通信WAFAによると、会合はエジプトの地中海に面する町、エル・アラメインで行われ「再び国を一つにし、分裂を終わらせるための方法」について話し合われる予定だという。
この会合は、マフムード・アッバース大統領と同氏率いるファタハが拠点を置き、限定的自治権を行使しているヨルダン川西岸地区で暴力が激化する中で行われた。イスラエルは特にアッバース大統領傘下の治安部隊が地盤を固めていない地域で、武装勢力を一掃するため、パレスチナ人居住区で毎晩のように急襲攻撃を行っている。
これらの襲撃は、ヨルダン川西岸地区において、過去20年近くで最悪の戦闘を引き起こしている。パレスチナは、イスラエルによる襲撃はイスラエル自身の治安部隊を弱体化させ、指導力を低下させている主張している。
エジプトでの会合はマフムード・アッバース大統領が議長を務め、長年パレスチナの指導者であり続けた高齢の同氏は、国内での非常に不人気で、イスラエル軍の侵攻によって行動範囲が狭められているこの時期に、パレスチナ国民と国際社会の両方に対し、統率力と政治家としての手腕を示す機会となっている。
会合には、ハマスの指導者であるイスマーイール・ハニーヤ氏を含む他のパレスチナ指導者らも出席する。ハマスはガザ地区を支配する過激派組織である。ファタハとハマスとは、2007年にハマスがガザ地区でアッバース大統領派の勢力を暴力的に撃退して以来、対立関係にある。イスラエルとエジプトはガザ地区を封鎖している。
ハマスにとって、この会合に参加することは、たとえ結果として何も変わらなかったとしても、亀裂を修復する努力をしていることをガザ地区の人々にアピールする機会となる。
イスラエルとの戦闘で中心的な役割を果たしているもうひとつの主要グループ、イスラム聖戦は、パレスチナ自治政府によるメンバーの拘束に抗議するため、会合をボイコットしたと、同グループ指導者のジアド・アル・ナハラ氏が明らかにした。
エジプトは長年、パレスチナ各派間の紛争解決の仲介役を務めてきた。また、イスラエルとハマス間で何度も繰り返されてきた戦闘の停戦の仲介役も務めた。
AP