
トゥルカルム:8月4日、イスラエル軍が占領下にあるヨルダン川西岸地区での急襲作戦中に18歳のパレスチナ人を射殺したとパレスチナ保健省が明らかにした。パレスチナでは最近、過去数年で最大の犠牲者が出ている。
イスラエル軍によると、ヨルダン川西岸地区北部の都市トゥルカルムで作戦中の部隊に発砲し、爆発物や石を投げつけた容疑者に兵士が発砲し、1名が負傷した。イスラエル側に負傷者は出なかった。
パレスチナ保健省によると、マフムード・アブ・サアン氏はトゥルカルムで頭部に銃撃を受けた。パレスチナの公式ニュース局WAFAが伝えたところでは、トゥルカルムに近い難民キャンプでの軍事作戦に端を発して、パレスチナ人とイスラエル軍の衝突が起きたという。
トゥルカルム周辺の2つのキャンプで国連のパレスチナ難民救済事業機関に登録されたパレスチナ人の数は約4万700人である。彼らはイスラエル建国をめぐって起きた1948年の戦争で故郷を逃れるか立ち退きを余儀なくされたパレスチナ難民、またはその子孫である。
イスラエル軍が急襲およびパレスチナの町への襲撃をエスカレートさせ、ユダヤ人入植者がパレスチナの村で暴力行為を行っており、過去15か月間にヨルダン川西岸地区での暴力は激しさを増している。
封鎖されたガザ地区を支配するイスラム主義政党ハマスはアブ・サアン氏の死に哀悼の意を表したが、彼をメンバーとは認めていない。ハマスは声明で、「我々の人民は占領が終わるまで革命を続けるだろう」と述べた。
イスラエルは1967年の中東戦争で、パレスチナ人が独立国家樹立を望んでいる地域の1つであるヨルダン川西岸地区を占領した。現在までユダヤ人入植地の建設が続いているが、多くの国はこれを違法だと見なしている。
ロイター