
ダルバンディカン(イラク):イラク当局者は火曜、隣接するイラン・イスラム共和国のダム建設と低雨量のため、イランから始まる川の流量が激減していると警告した。
サーワン川はイラン内で始まり、イラク北東部のダルバンディカンダムに流入し、農村部のディヤーラー県を通ってティグリス川に合流する。
「前代未聞の減少が起きています」ダルバンディカンダムの所長を務めるラーマン・カーニ氏はそう語る。「1年間で7.5メートルも水位が下がりました」
この減少の原因は降水量の低さと「イランで水を貯めるダムがさらに建設されていること」にある、と同氏はAFPに語った。
カーニ氏によると、今年ダルバンディカンダムに流入した水量は9億立方メートルだったという。年間平均は47億立方メートルであり、非常にわずかである。
この減少によりダムの発電量が30%低下したと同氏は付け加え、ディヤーラー県の農業への影響を警告した。
イラクは電力の大部分をイランに依存しており、近年多くの地域で極度の水不足に苦しんでいる。
これはイランとトルコでの上流のダム建設が大きな原因だが、幅広い地域に影響を与えている気候変動と旱魃に関連する要素も原因となっている。
この状況を受け、イラクの水資源大臣マハディ・アル・ハンダニ氏はハーグの国際司法裁判所(ICJ)にイランを提訴するようイラク政府に要請した。
外務省広報官はこの件についてコメントを控えた。
水資源省の上級顧問アウン・ティアブ氏によると、イランは1997年の「国境を越えた水資源利用に関する国連水路条約」に基づき、「河川の流れを変えることで国際法に違反している」と言う。
しかしティアブ氏は、司法の裁きを求めることは「政治的決定であり、技術的なことではない」と認める。
「サーワン川の水は完全に遮断されています」ティアブ氏はAFPに語った。
メーア通信(Mehr)に掲載されたイランの宇宙機関の報告によると、イランでも旱魃により水位が減少しているという。
当局者は火曜、テヘランは過去50年間で最悪の旱魃に直面していると述べ、月間降水量が昨年比で97%減少したと報告した。
この地域に給水している企業のモハマド・シャリアリ副所長によると、イランの首都の9月23日以降の降雨量は0.4mmだったと言う。なお、2020年の同期間では14.3mmだった。
「地下水と地表水は危機的な状態になっています。このような旱魃は過去50年間ありませんでした」シャリアリ氏がそう語っていたことがイランのISNA通信で報じられた。
7月、旱魃に見舞われた南西部のフーゼスタン州で人々が水不足に対する怒りを発散させるために街に出て、死者を伴うデモが発生した。
AFP