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レバノンのベイルート爆発事故から3年、数百人がデモ行進

ベイルート港の損害を受けた穀物サイロ前にある正義を象徴するガベルの像。ベイルート:レバノンにて歴史上最大級の非核爆発がベイルートを震撼させた2020年8月から3年が経った。(AFP)
ベイルート港の損害を受けた穀物サイロ前にある正義を象徴するガベルの像。ベイルート:レバノンにて歴史上最大級の非核爆発がベイルートを震撼させた2020年8月から3年が経った。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を持ちデモをする犠牲者家族。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を持ちデモをする犠牲者家族。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を掲げる犠牲者家族の一人。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を掲げる犠牲者家族の一人。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を掲げる犠牲者家族の一人。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を掲げる犠牲者家族の一人。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を持ちデモをする犠牲者家族。(AFP)
2020年のベイルート港爆発から3年目となった2023年8月4日、ベイルートにある司法宮の外で犠牲者の写真を持ちデモをする犠牲者家族。(AFP)
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05 Aug 2023 05:08:50 GMT9
05 Aug 2023 05:08:50 GMT9
  • 3年が経ち、徹底的な調査は実質的に停止、生存者はいまだに答えを求めている
  • デモ隊の多くは黒い服を着て犠牲者の写真を持ち、「私たちは忘れない」といったスローガンを叫びながら港の方へ行進した

ベイルート:レバノンにて歴史上最大級の非核爆発がベイルートを震撼させてから3年が経った4日、犠牲者家族と数百人のデモ隊が一緒になり、待ち望む裁判を求めて行進した。

この惨事の責任を取った者は誰もおらず、政治的・法的圧力が調査を妨害している。
2020年8月4日、ベイルート港で起こった大規模爆発によりレバノンの首都一帯が破壊され、220人以上が死亡し、少なくとも6500人が負傷した。

無計画に何年間も肥料の硝酸アンモニウムを大量備蓄していた倉庫で起こった火事によって、惨事が引き起こされたと当局は発表している。

3年が経ち、徹底的な調査は実質的に停止、生存者はいまだに答えを求めている。

デモ隊の多くは黒い服を着て犠牲者の写真を持ち、「私たちは忘れない」といったスローガンを叫びながら港の方へ行進した。

「私たちの痛みが、真実を粘り強く探し求める気持ちを奮い立たせます」と、爆発事故で夫を亡くし、デモに参加していたタニア・ダオウ・アラムさん(54歳)は言った。

裁判の欠如は「レバノンで蔓延する汚職の最も大きな例で、これ以上は耐えられません」と言った。

爆発は経済危機のさなかに起こった。世界銀行は近年で最悪の経済危機と呼び、汚職とずさんな管理で非難されている統治エリートに責任があるとの見方が広がっている。

デモ参加者の中には、血のような赤いペイントが塗られたレバノン国旗を振る者や、正義のために戦い続けるという誓約書で埋まった巨大な旗を掲げる者もいた。

「私にはなぜレバノンの同胞が殺されたのかを知る権利があります」とデモ参加者のジャド・マターさん(42歳)は言う。

「火山の頂上に住みながら、いつ爆発するかわからないでいるようなものです。安全が欲しいです」とマターさんは言い添えた。

爆発の徹底的な調査は、その初期段階から多数の政治的・法的困難に直面してきた。

2020年12月、主任調査員のファディ・サワン氏がディアブ元首相と3人の元大臣を過失で訴えた。

しかし政治的圧力が高まり、サワン氏は事件から外された。

後任のタレク・ビタール氏は、元閣僚の国会議員への免責特権解除を議員に要請したが失敗した。

イランからの強力な支援を受けているヒズボラは、ビタール氏に対するキャンペーンに着手し、偏見を非難して解任を求めた。

内務省は主任調査員が発行した逮捕令状の執行を拒んだ。

2021年12月、ビタール氏は訴訟の集中砲火を浴びて調査を停止。過失を訴えて出頭を命じた政治家からの訴訟が主だった。

しかし今年1月の奇策によって、ビタール氏は13カ月の中断を経て調査を再開。治安当局高官やレバノンの検事総長ガッサン・オウエイダ氏など、新たに8人の容疑者を提訴した。

するとオウエイダ氏は不服従と「略奪行為」でビタール氏を提訴し、爆発のかどで留置されている全員の釈放を命じた。

ビタール氏は退任を拒んだが、ベイルート司法宮の中へは数ヶ月足を踏み入れていない。

「(調査の)仕事は継続中です」と、事件について知識を持つ法律専門家は、慎重さを要するため匿名を希望して述べた。

ビタル氏は犠牲者家族のために公正な裁きを行う約束を守ると決意していると、その専門家は言い添えた。

爆発事故で兄弟を亡くしたリマ・アル・ザヘドさんは言う。「司法は束縛されていて、正義は手の届かない位置にあり、真実はベールに包まれています」。

しかし「真実は消えません。それを求める人がいる限り」、「真実を手に入れられると信じています」

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はレバノン人に向けて「あなたたちのことを考えています」と語った。

「レバノンはあの時も一人ではなかったし、今も一人ではありません。フランスを頼ってください」とマクロン氏は投稿した。

米政府は責任追及の長期の遅れを非難した。

「説明責任の追求に進展が見られないことは受け入れられず、レバノンにおける司法改革と法の支配の必要性は明白です」と米国務省のマシュー・ミラー報道官は述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)やアムネスティ・インターナショナルなど、300の組織や個人は3日、国連への事実調査団発足要求を改めて行ったが、この要求はレバノン当局者によって繰り返し拒否されている。

「もし責任者に説明責任を負わせられないとすると、この種の犯罪が繰り返される軌跡をこの国は辿ることになるでしょう」とHRWのラマ・ファキ氏はデモ中にAFPに語った。

AFP

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