
ラマッラー(ヨルダン川西岸地区):イスラエル軍は11日、占領下にあるヨルダン川西岸地区の難民キャンプで強制捜査を実施し、パレスチナ人男性を1人射殺したと、パレスチナの公式通信社WAFAが報じた。
パレスチナ保健省やイスラエル軍はまだコメントを発表していない。
トゥルカームにあるタベト・タベト公立病院で院長を務めるアミン・カーダー医師は、パレスチナテレビの取材に応じ、胸部に銃弾を受けたパレスチナ人男性が死亡し、少なくとも8人が負傷したと話した。
ヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治政府を支配するファタハ党は、死亡した男性がマフムード・ジャラード氏であることを確認した。同氏は党員だったと述べたものの、戦闘員であるとは主張しなかった。
イスラエルによる強制捜査の強化、ユダヤ人入植者によるパレスチナ村民への暴力行為、パレスチナ人による路上襲撃などが発生しているヨルダン川西岸地区では、この15か月間で暴力事件が激化している。
国連の統計によると、今年の1月から、少なくとも196人のパレスチナ人と24人のイスラエル人が紛争で死亡している。
ヨルダン川西岸地区は、1967年の中東戦争でイスラエルが占領した地域の一部である。パレスチナ人の自治権は限られているが、彼らはこの場所を独立国家の中核として求めている。
イスラエルは軍事力によって数百万人のパレスチナ人を統制し、多くの国が違法とみなす入植地の建設を続けているが、イスラエル側は違法とする声に異議を唱えている。
米国が仲介し、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレムでパレスチナ国家の樹立を目指して行われた和平交渉は2014年に決裂し、それ以降再開の兆しは見えていない。
トゥルカーム地区にある2か所のキャンプでは、40,700人ほどのパレスチナ人が国連パレスチナ難民救済事業機関に登録されている。この登録者らは、イスラエルの建国をめぐって起きた1948年の戦争中に故郷を追われたり、避難してきたりしたパレスチナ難民やその子孫である。
ロイター