
ベイルート:レバノンの最高位キリスト教聖職者は13日、国による武器管理を求めた。数日前にキリスト教徒の村の住民と重武装組織ヒズボラの間で、武器弾薬を積んだトラックが横転したことをめぐり衝突が発生し死者が出たことを受けたものだ。
9日にベイルート近郊のカハレ村で発生した銃撃戦で、ヒズボラ構成員1人とキリスト教徒の住民1人が死亡した。武器弾薬を積んだヒズボラのトラックがこの地域を走行中に横転したのをきっかけに始まった銃撃戦だった。
これは、イランを後ろ盾とするヒズボラと、それに反対するレバノン人らの間で発生した衝突としては、2年前にベイルートで起こった衝突以降で最大の犠牲を出したものとなり、既に深刻な政治・経済危機に見舞われているこの国の安定をさらに揺るがした。
聖職者のビシャーラ・ブトロス・アル・ライ総主教は13日に行った説教の中で、「全ての政党」および国に関わるその他の人々に対し、「特に武器使用の問題に関して、国旗のもとで団結する」よう呼びかけた。
また、「1つの土地に2つ以上の国、2つ以上の正統な軍、2つ以上の権威、2つ以上の主権が存在する中で暮らすことは不可能だ」と述べた。ヒズボラの武装に言及したものとみられる。
イラン革命防衛隊が1982年に設立したヒズボラは、レバノンで最も強力な組織である。同国では長年、同組織の武装が争点となっており、反対派は同組織が国を弱体化させていると非難している。
レバノンは、1975~90年の内戦以降で最も国を不安定にしている出来事である経済崩壊に4年前から見舞われている。それを引き起こしたのは支配層の政治家による数十年間にわたる腐敗や浪費であった。
ロイター