ドバイ:エジプト当局は23日、スエズ運河で石油製品と液化天然ガスを積んだ2隻のタンカーが衝突し、この世界的な水路の交通に混乱が生じていると発表した。
スエズ運河当局は声明の中で、液化天然ガスを運ぶシンガポール船籍のタンカー「BW Lesmes」が22日の夜に機械的な故障に見舞われ、運河を航行中に座礁したことを明らかにした。そして、石油製品を運ぶケイマン諸島船籍のタンカー「Burri」が、その故障したタンカーに衝突した。
声明によると、この衝突事故により交通に混乱が発生した。この2隻のタンカーは、地中海から紅海に向かって航行していた輸送船団の一部だった。
運河当局の責任者であるオサマ・ラベイ長官は、声明で次のように述べた。「故障には速やかに対処した…交通は両方向ともに今後数時間以内に復旧する」
世界貿易の約10%はこの運河を通じて行われており、エジプト政府にとっては主要な外貨獲得源となっている。
2021年3月には、パナマ船籍の巨大コンテナ船「エバー・ギブン」が運河の単線部分で堤防に衝突し、6日にわたって水路を塞ぎ、世界の貿易を滞らせた。
船舶の追跡サービスを提供しているマリントラフィックは、事故のタイムラプス映像を公開し、Burriが左に進路を変え、水路を横切るように座礁していたBW Lesmesと衝突する様子を明らかにした。
運河当局は、Burriを水路から移動させる作業を行いながら、BW Lesmesを再浮上させ曳航することに成功したと述べた。
BW Lesmesの運営会社であるBW LNG ASは声明を発表し、「乗組員は全員無事で確認が取れており、負傷者や汚染に関する報告はなかった」と述べた。
ラベイ長官の話によれば、最初に行った検査では、タンカーへの大きな損傷や現場の汚染などは見られなかった。BW LNG ASは、23日遅くに技術チームがノルウェーのオスロから現場に到着し、事故の調査を行うとしている。
23日に起きた事故は、この重要な水路で船舶が立ち往生したと報告する最新の事例だった。ここ数年、スエズ運河では船舶の座礁や故障が相次いでいる。
1869年に開通したこの運河は、石油、天然ガス、貨物などを運ぶ重要な連絡路である。
スエズ運河庁の発表によると、この運河を通過した船舶は、2021年の20,649隻に対し、昨年は23,851隻だった。2022年に運河が稼ぎだした収入は80億ドルに達し、史上最高額を記録した。
AP