
トリポリ:イスラエル外務省は27日、イスラエルとリビアの外相が先週イタリアで秘密裏に会談したと発表した。イスラエルとリビアのトップ外交官同士の会談は史上初だという。
イスラエルのエリ・コーヘン外相とリビアのトリポリを拠点とする政府のナジュラ・マングーシュ外相の会談は、アラブ諸国との関係正常化を進めるがパレスチナ人に対する強硬政策がその関係を冷え込ませているイスラエル政府にとって、小さな突破口となった。
コーエン氏は声明で、「マングーシュ外相と両国関係の大きな可能性について話した」と述べた。会談はイタリアの外相がローマで主催したという。
コーエン氏は、シナゴーグや墓地の改修を含め、リビアのかつてのユダヤ人コミュニティの遺産を保護することの重要性について話し合ったと述べた。イスラエル外務省によると、会談では人道問題、農業、水管理に対するイスラエルの援助の可能性についても触れられたという。
リビアはまだコメントを発表していない。
リビアの指導者であった故ムアンマル・カダフィ氏はイスラエルを敵視し、イスラエルとの和平に反対する過激派武装グループを含むパレスチナ人の強固な支持者であった。
リビアは2011年、NATOの支援を受けた蜂起によってムアンマル・カダフィ氏が倒され殺害された後、混乱に陥り、東のベンガジを拠点とする勢力と西のトリポリを拠点とする勢力との間で分裂した。国連は、リビアを新たな選挙に導くために奮闘している。
トリポリ政府は、イタリアや西側諸国に近いアブドゥルハミード・ドベイバ首相が率いている。
米国のドナルド・トランプ大統領(当時)は、「アブラハム合意」として知られるイスラエルとアラブ4カ国との一連の外交協定を仲介した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はアラブ世界との関係改善に意欲的だが、ヨルダン川西岸地区の入植地建設への支援や、占領地内の武装勢力の拠点と思われる場所への軍事襲撃を続けていることから、ネタニヤフ政権は激しい批判にさらされている。
AP