
ワシントン:米国のジョー・バイデン大統領は5日、ジャック・ルー元財務長官を駐イスラエル大使に指名した。両同盟国間の関係が荒れている時期を、イスラエルと緊密な関係を持つベテラン政治家の起用で乗り越えたい考えだ。
ルー氏は毎週の安息日を守っている正統派ユダヤ教徒であり、バイデン大統領がサウジアラビアによるイスラエルの承認という歴史的なものになるであろう合意の仲介を試みる中、米イスラエル関係を管理するうえで重要な役割を果たすことになる。
この指名は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相による司法改革をバイデン大統領が公然と批判し緊張が高まった後に行われた。司法改革をめぐっては、イスラエルの民主主義の伝統に対する右派からの脅威であるとの批判の声が上がっている。
ルー氏の就任には、バイデン大統領の民主党が過半数を維持する上院の承認が必要だ。しかし、共和党は2024年の選挙を前に、ネタニヤフ首相にとって不利と見なす政策への抗議として同氏の指名に反対する可能性もある。
ホワイトハウスは正式な声明の中で、連続した民主党政権下で働いたルー氏の「公職における際立ったキャリア」に言及した。
熟練弁護士である同氏は、バラク・オバマ元大統領のもとで財務長官を務めた。それ以前にはホワイトハウス首席補佐官、行政管理予算局長官、ヒラリー・クリントン元国務長官の副長官も担当している。
ルー氏はトマス・ナイズ前大使の後任となる。ナイズ氏も民主党のベテラン政治家だが、ネタニヤフ首相の司法改革に関して非常に遠慮のない言葉遣いをしたことで大きく報道された。
ナイズ氏は個人的理由で退任するとしていた。同氏の妻はCNNの上級幹部で、同氏の在任中も米国に留まっていた。
AFP