
イミ・ンタラ、モロッコ:山の一部を切り崩し、住民を殺害し、村を跡形もなく取り壊した破壊的な地震が発生した4日後、モロッコのアトラス山脈の高地にあるイミ・ンタラ村には死臭が漂う。
ブルドーザー、救助隊員、モロッコの救急隊員が24時間体制で残骸を掘り、地下に残っている8から10体の遺体を掘り起こそうとしている。
「山が真っ二つに割けて、崩れ始めました。家々は完全に破壊されてしまいました」とアイト・ウガディール・アル・フーシーン氏は語り、救助隊が自分の姉妹を含む遺体の収容作業を行ったと述べた。「牛をすべて失った人もいます。着ている服以外何もありません。何もかも失いました」
主に牧夫や農民が住み、8日の地震で96人の住民が死亡したイミ・ンタラと同様の光景が、マラケシュ南部の危険な山道沿いに位置する数十カ所でも見られる。寄贈されたジュラバに身を包んだ男性たちは、開けた場所としっかりした地面を探し、砂埃や岩の上に敷物をきちんと並べ、祈りを捧げる。死臭を防ぐため鼻を覆っている人々の側を通り過ぎ、ロバがいななく。
人里離れた村々に救助が徐々に到達し、遺体が掘り起こされ、人々が病院に送られるにつれ、死傷者の数は増え続けている。モロッコ当局は12日の時点で2,901人の死者を報告している。国連は、8日の夜に発生したマグニチュード6.8の地震で30万人が被災したと推定している。
しかし、地震直後の数時間や数日間とは状況が異なる。
約62キロメートル北にあるマラケシュでは、モハメッド6世国王が病院を訪れ、献血している。
そして、イミ・ンタラ、近隣のアヌガル、イミ・ンイスリ、イグルダンについに支援物資が届いた。部分的に舗装された道路には白と黄色のテントが並ぶ。近くには、ペットボトルや牛乳パックがピラミッド状に積み上げられている。国内の大都市からこの地域にやって来たモロッコの人々は、トラックの荷台から陶器のタジン鍋ときちんとパッキングされた食糧支援を手渡す。
モロッコの緊急対応要員として、フランス、スペイン、またカタールのアルジャジーラの撮影チームはカタール、スペイン、国際的NGOのスタッフとともに、崩れ落ちた家の下から女性の遺体を回収するために削岩機で岩を砕いている。
フランスの救助隊「ULIS」のパトリック・ヴィラドリー氏によると、今年初めにトルコやシリアの地震で倒壊した建物とは異なり、イミ・ンタラで建築素材として使用された泥レンガでは人々が生き残るのに必要な空気を残す隙間がほとんどなく、この女性は死亡した可能性が高いという。
「掘るときには、生きている人を探します。そこからは、自問したりはしません。生きていれば、素晴らしい。亡くなっていたら、残念です」と述べ、モロッコ人家族のために死者を回収することは重要であると指摘した。
モロッコは、地震に対応する国内への支援量を制限しており、スペイン、英国、アラブ首長国連邦、カタールの4カ国と、非政府組織からの救助隊のみが許可されている。ニースからの「ヴィランドリー」の5人と4匹の犬の救援チームは、災害現場にたどり着くことができた数少ないフランスのNGOの1つである。9日に到着したという。
モロッコ政府は、調整が不十分な援助は「逆効果になる」と警告しているが、このチームの収容作業を見守っていたブラヒム・アイト・ブラスリ氏のようなモロッコ人の間では、この説明に対し懐疑的な見方が広がっている。
「それは事実ではありません」そして米国やフランスなどの国からの援助を受け入れないというモロッコの決定に言及して「これは政治の問題です」と述べた。「プライドは捨てなければなりません。余りにもひどい」
AP