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コロナ禍からの復興には世界的な連帯が不可欠

サウジアラビアのリヤドで行われたG20財務相・中央銀行総裁会議開催中のメディアセンターでのジャーナリストたちの様。2020年2月22日 (ロイター通信)
サウジアラビアのリヤドで行われたG20財務相・中央銀行総裁会議開催中のメディアセンターでのジャーナリストたちの様。2020年2月22日 (ロイター通信)
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23 Oct 2020 10:10:25 GMT9
23 Oct 2020 10:10:25 GMT9

今年、国連は創立75周年を迎える。 

第二次世界大戦の惨禍から生まれた国連は、人類共通の取り組みとして、戦争の惨禍から後世を救い、人権を推進・保護し、世界の進歩と発展を促進するために設立された。

その歴史の中で、国連は人道的活動を通じて何百万人もの命を救い、自由を促進し、ルールに基づいた国際システムを形成し、国際開発のための規範を設定し、子どもたちにふさわしい教育を提供するために積極的に活動してきた。

共通の組織である国連は、世界が大きな混乱に陥った時、そして国際協力が大いに必要とされる時に、欠かせない存在である。

国際社会は再び、人類の悲劇に直面している。何十年にもわたる進歩と発展を危うくする脅威である。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、深刻な経済的・社会的影響を伴う未曾有の世界的健康危機であり、第二次世界大戦以来の最悪の危機である。この最悪の危機は、多国間主義がより自国中心のアプローチにより挑戦を受けている時に訪れた。

我々は共に連携するため、さらに強くなり、より良い態勢を整えるだろうか?それとも、不信感と孤立がさらに深まるのだろうか?

3月以来、コロナ禍は我々の生活に大きな影響を与え、世界中で大きな混乱を巻き起こしている。

これまでに100万人以上が死亡し、4000万人が感染したと報告されている。実際の数字はこれらより多い可能性が高く、今後も増え続けるだろう。

経済的・社会的な影響は悲惨なものとなっている。2020年は172カ国でマイナス成長が予想され、極度の貧困は8800万人から1億1500万人増加すると推定され、雇用の喪失は約4億3500万人に影響を与えると予想されている。

世界的な経済成長の縮小は、外国直接投資が40%、貿易が20%まで低下するなど複合的に発生している。

これらの数字はすべて、どの国もその壊滅的な影響を免れない長引く危機の深刻さを浮き彫りにしており、そこから立ち直るためには共通する決意が必要だろう。

健康と社会経済への影響は互いに絡み合っている。コロナ禍は感染が止まるまで終わらない。そしてコロナに対する対応策と制御がなければ、経済回復もない。

世界保健機関(WHO)は、COVID-19の検査、ワクチン、治療薬の開発と、それらへの公平なアクセス確保を加速させる新たな世界的協力、「COVID-19対応ツールへのアクセス加速事業」を含む、大規模で包括的な保健対応を導く上で重要な役割を果たしている。

すべての国連機関は、この危機の壊滅的な社会経済的、人道的、人権的側面に対処する広範な取り組みを通じて、最も弱い立場にある人々の命と生活を守るため連携している。

すべてのステークホルダー間の協力と連携は、これまで以上に極めて重要となっている。そのため我々は、国連事務総長とともに、サウジアラビアが2020年のG20議長国としてリーダーシップを発揮していることを称賛する。

国際経済協力のための主要な協議の場として、G20は最も強力な国を集め、集団行動をとることができる。

パンデミックが発生した当初、サウジアラビアはG20臨時首脳会談を招集した。その臨時会合でG20各国の首脳らは深刻な懸念を表明し、「パンデミックを克服するためには手段を選ばない」ことを決意した。

財政刺激策の調整、グローバルヘルスにおける当面の資金需要に対処するための資源の投入、コロナ危機における社会経済的影響を克服するための最貧国への債務救済などの重要な課題について G20 諸国間の合意形成を促進する一方で、G20 議長国であるサウジアラビアは、グローバルヘルスに対する緊急対応と世界経済の回復をリードし続けるための取り組みを惜しんではならない。

次回リヤドで開かれるG20首脳会談は、重要な時期に開催されることになり、すべての人にとって包括的で持続可能な未来に向けて前進し続けるまたとない機会を提供することになる

国連とG20が協力することは、道徳的義務であるだけでなく、相互につながる世界では現実的な必要性を持つ。

フュスティエ・ナタリー

世界的連帯は、道徳的な義務であるだけでなく、相互につながる世界では現実的な必要性を持つ。

国連とG20は、パートナーシップを強化し、より持続可能で包括的な復興への共通理解を再確認し、より良い復興のための青写真であり続ける「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の達成に向けた機運を再度確立しなければならない。

これにはパンデミックを対処し、成長を促進し、すべての人のための持続可能な開発に向けて前進し、貧困を根絶し、気候危機と環境破壊に対処し、平和のために協力し、危機により露呈した他の多くの脆弱性を補うことこそが求められている。

サウジアラビアにおける国連は、この取り組みに貢献するとともに、人類としての優先事項を話し合うことができる対話を促進し、すべての人にとってより良い未来を築く方法を模索することを決意している。

10 月 24 日(土)の国連デーに合わせ、「COVID-19 危機からの回復とサウジアラビアの持続可能な開発に向けた前進:国連とG20のパートナーシップの構築」をテーマに、サウジアラビア国内外、G20、国連コミュニティから様々な講演者やパネリストが参加するバーチャル会議を開催する。

参加者は、サウジアラビアにおけるコロナ禍に対する取り組みを探ることに加え、持続可能な開発のために資金を投入し、健康と人的資本を促進する方法についてベストプラクティスや知識を共有する。

saudiarabia.un.orgで一緒に記念日を祝い、この対話に参加しましょう。2030年までの持続可能な開発目標を達成するため、今後10年間の行動が目前にあり、75周年を迎えた今でも、国連はすべての人を団結させ、人類が望む未来を築くために十分な強さを備えた組織だと感じています。

  • フュスティエ・ナタリーは、サウジアラビアの国連常駐コーディネーターを務めている。アラブ ツイッター: @NathalieFustier
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