
韓国と米国は月曜日未明、北朝鮮による日曜日の短距離弾道ミサイル発射に対抗し、韓国東部沿岸から地対地ミサイル8発を発射したと発表した。
韓国の聯合ニュースは韓国軍の発表を引用し、この発射は北朝鮮のミサイル発射本部や指揮・支援センターに対して「精密攻撃の能力と準備」を示すものであると述べた。
先月就任した韓国の尹淑烈(ユン・スギョル)大統領は、北朝鮮に対してより厳しい姿勢を取ることを誓った。5月にソウルで行われた米国のジョー・バイデン大統領との首脳会談では、合同軍事訓練と統合抑止態勢を強化することに合意した。
北朝鮮は、今年に入ってからミサイル発射を繰り返している。尹大統領は、北朝鮮のミサイルと核兵器開発は周辺地域と世界の平和に脅威を与えるレベルにまで達していると指摘した。
韓国は「基本的かつ実用的な安全保障能力を構築し、北朝鮮の核とミサイルの脅威を抑止し続ける」と、尹大統領は顕忠日に行われた式典で述べた。
聯合ニュースによれば、韓国および米国軍は、北朝鮮が日曜日に発射した8発のミサイルに対抗して、月曜日の午前4時45分(日曜日の1945 GMT)から約10分に渡り、8発の地対地ミサイルを発射した。
韓国国防省は、戦術地対地ミサイルシステム(ATACMS)8発が発射されたことを確認した。
米国のインド太平洋軍は、演習では米軍がミサイル1発を、韓国軍が7発を発射したと発表した。
また同軍は、「米韓同盟は、朝鮮半島とインド太平洋地域の平和と繁栄に引き続き尽力する」と、韓国の正式名称のイニシャルを使用した声明を発表した。
相互演習
日曜日に北朝鮮が東岸沖に向けて発射した短距離弾道ミサイル発射は、おそらく過去最大規模のもので、韓国と米国が合同軍事演習を終了した翌日に発射された。
韓国と米国の二国間演習には、4年以上ぶりに米国の空母が参加した。
日本と米国も日曜日、北朝鮮の新たなミサイル実験に対応するため合同軍事演習を実施した。
COVID-19を初めて確認してから数週間が経過した北朝鮮は、これまでの合同演習を、外交的対話がなされているにもかかわらず、米国が北朝鮮に対して「敵対政策」をとり続けている例だと批判している。
聯合ニュースによれば、北朝鮮は日曜日に首都平壌の順安など4カ所から発射を行ったという。
ソウルの梨花女子大学で国際学を専門とするレイフエリック・イーズリー教授は、韓国の現在のミサイル防衛は、拡大する北朝鮮の脅威に対して不十分であると指摘した。
「ハードウェアへの追加的投資だけではなく、日本と連携したより多層的なアプローチや、北朝鮮との軍事競争の動きを抑えるため、中国との外交努力を模索することも必要だ。」
北朝鮮国営メディアは、最近のミサイル発射を報じていない。一部のアナリストはこの傾向について、試射が日常的な軍事訓練の一部であることを示すためだと分析している。
米国および韓国当局の関係者はまた、北朝鮮が2017年以来初めて核兵器実験を再開する準備ができたようだと警告した。
先月バイデン大統領がアジアを歴訪し、北朝鮮の核開発抑止に向けた新たな措置に合意した直後、北朝鮮は過去最大のICBMと思われる「火星17」を含む3基のミサイルを発射した。
韓国と米国の軍隊は、この実験にも対抗してミサイルを発射した。この二つの同盟国は、この実験が国連安全保障理事会決議に違反した行為であるとしている。
先月、米国は弾道ミサイル発射を理由に北朝鮮への国連制裁強化を求めたが、中国とロシアはこの決議案に対して拒否権を行使した。北朝鮮が初の核実験を行った2006年に制裁を開始して以来、初めて北朝鮮に関する国連安保理の表立った分裂を招くこととなった。
ロイター